私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ32)

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78話ページ32

私は、シュナから裁縫セットを受け取った。

学校の家庭科でこんなの使ったな....あんまり時間経ってないけど懐かしく感じる。

シュナ「まずは、この糸に針を通します」

通したよ！次は？

シュナ「もう通したんですか！？本当に賢いんですね――――」

　

　

…………………

………

　

　

　

うわっ、ここどうすればいいんだ？？

シュナ「あっ、そこはもっと...」

　

　

…………………

………

　

　

数十分後。

　

机の上には、シンプルながらもきちんとした形のワンピースがあった。

　

でーきたぁー！！

　

シュナ「うふふ、初めてにしては素晴らしい出来栄えだと思いますよ？」

達成感あふれる私を、シュナは褒める。

でしょでしょ！？

まぁ、やればできる子だからね！

褒められて有頂天になっていると、ログハウスの扉が勢いよく開いた。

　

ゴブタ「あ、ここにいたんすね！探したんすよ！」

　

扉の先にいたのは、ゴブタだ。

...何の用だろうか？

　

疑問を抱いた直後、少々納得いかない対応をゴブタがとった。

　

ゴブタ「あ、シュナさん。こ、こんばんわっす。」

シュナ「こんばんわ。」

赤面しながら慌てて頭を下げるゴブタ。

それに笑顔で答えるシュナ。

この差はなんなんだ！？

思わず文句を言いそうになり、グッと我慢する。

まぁ、シュナが可愛いのは認める。

勝手に赤面するのは自由だが、私の場合も頭を下げてほしい。

　

《告。その場合、現在の立場を捨てることになります》

　

え？あ、そうか。私は今、ペットという立場だもんな....

むしろ、今の立ち位置で満足すべきかも。

トカゲ達のせいで、感覚が麻痺していたようだ。

これからは、もっとペットらしく素直になろう！！

ゴブタ「そ、それどころじゃなかったっす！Aさん、ちょっと来てほしいんすよ！」

ん？何だね――――

私が頷くより先に、ゴブタは私の手を掴み強引に引っ張ってログハウスを出る。

　

ちょっ、引っ張るな！！

ついていくから、ちゃんとついていくから！！

　

心の中でそう叫んだが、当然伝わることなく、私は目的地まで引っ張られていった。