私の名は[救世主]【転生したらスライムだった件】 (ページ15)

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62話ページ15

パチリ、パチン。

眼前には、将棋の駒。

ざわざわと賑やかな村の中で、私は自分の世界に入り考えを巡らせていた。

王手！！

ルグルド「.....これは....私の負けですね。」

勝ち誇る私に、頭を抱え唸るルグルド。

ふっふっふ、私の粘り強さが生きた瞬間だな！！

前世でも、テーブルゲームは大体勝ってたからね！

....じゃんけんは弱かったけど。

ともかく、これでルールはわかった。

第二ラウンドと行こうじゃないか、ルグルド！！

ルグルド「もう一戦ですか？しかし、今日はリグルド様とこの村の規則について

話し合わねばなりませんで....」

えー？

まぁ、それなら仕方ないかなぁ....

ちぇー、せっかくテンション上がってきたのにー。

？「ホッホッホ。それならA様―――儂と勝負しますかな？」

残念がる私に話しかけてきたのは、初老に差し掛かったぐらいの白髪の男性だった。

　

　

*

　
　

待って、どうしてこうなった？

私の目の前には、木刀を構えている鬼...

白老だ。さっき教えてもらった。

いや、私が言いたいのは、そういうことじゃなくて....

このお爺さん、半端なく強い。

間違いなく、剣の達人だ。

何でこんなことになったって？

私が聞きたい。

将棋の勝負してたら、紅丸と名付けられた赤髪がハクロウに剣の指導を頼んできた。

丁度将棋が劣勢だったので、天の助けだ！と思ってそっちに乗ったのだが....

失敗だった。いや、大失敗だった。

「うわぁぁぁぁ！！」

スキルは案外簡単に手に入れられてたので、調子に乗っていたのだ。

冷静に考えて、剣道も習ったことない高校生が、熟練の剣士に勝てるわけがない。

私の学校では、授業は剣道じゃなくて柔道だったし。

「ひぃぃぃぃ！！」

それでも、岩をも切り裂く斬撃をくらって平気なのは、

ゴーストになったおかげだと言えるだろう。

「ギャーーッ」

さすがに真っ二つに切り裂かれた時は、身体がくっつくまで動けなかったけど。

どうやらすり抜けるのは、視認できる攻撃だけのようだ。

自分の体質について知れたのはよかったけど、怖すぎるよね――――

刹那、油断する私の背筋に悪寒が走った。

ベニマル「おい、後ろ！」

ベニマルの忠告を聞くよりも早く、勘を頼りに上へ逃げた。

白い斬撃が、私の前にあった岩を断つ。

殺す気か！？木刀の意味ないだろ！！

と思わず叫びたくなったのは、当然のことだと言えるだろう。