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7話 ページ8

好きだと言えば良かったのに、俺は…その2文字がどうしても言えなかったんだ。

あ「嫌いじゃない…かあ。うん、そうだよね。嫌いだったら、付き合わないか。」

平子「あ…」

あ「ごめんね!なんだか少し、不安になっちゃったの。嫌いじゃないならいいんだ。」
泣きそうな表情のまま、力なく笑った。それはいつもの笑顔じゃなくて、俺を、どうしようもなく不安にさせた。

平子「俺は…」

あ「キスして…お願い。」
ポロリ、と彼女の頬を涙が伝う。

平子「…っ。」
触れなかった。戸惑ってしまった。

あ「私たち、付き合ってる意味あるのかな。ねえ、丈は、何を考えてるの?私に教えてよ…。そうじゃないと、私たちもうやっていけない。」
別れるなら、今かもしれない。だけど、それだけは嫌だと思ってしまった。俺は、本当は、抱きしめたかったし、キスしたかった。体裁とか、死ぬとか、そんなことどうでもいい。俺の気持ちを伝えなければ、ここでダメになってしまう。

平子「俺は、Aが好きだ。愛してる。どんどんお前にハマっていくのが怖かった。お前に触れたら、めちゃくちゃにしてしまいそうで。それに…俺は、捜査官だ。いつ死ぬか分からない。将来を約束できないんだ。だから、このまま…別れた方が、いいのかもしれない。」

あ「バカね、丈は。いつ死ぬかとか、そんなことどうでもいい。今が大事なの。今、丈は、私のことを愛してくれているんでしょう?その気持ちだけでいい。その気持ちがなくなったときにだけ、私と別れて。それまでは、死が2人を分かつまで、一緒にいてください。」
ハッとした。今が大事。確かに、そうだ。捜査官は他の人より死ぬ確率が高い。けど、いつかは誰も死ぬ。そんなことで怯えていても、大切な人を傷つけるだけだ。俺はAが好きだ。この気持ちを、今を、大事にしよう。そう思えたとき、素直にAを抱きしめられた。

平子「俺は本当に、バカだな。ずっと一緒にいたい。愛してる…A。」
恐る恐る、キスをした。触れるだけの、軽いキス。それだけで、顔が熱くなるのを感じた。

あ「…ふふっ。顔、真っ赤だよ?」

平子「うるさい///。いっぱいいっぱいなんだよ。」

あ「…こんなことなら、もっと早く気持ちをぶつけておけば良かったなあ。こんなに可愛い丈が見られたんだもの。」

平子「お前の方が、可愛いだろ。」
いつもの笑顔が、やっぱり大好きだと思った。可愛いと思った。

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駄郎(プロフ) - すごく心が痛くなりました(´;Д;`)めっちゃ切ない作品、、、素敵でした、、、(><) (2018年5月28日 1時) (レス) id: d57e5a8b8d (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き粉(プロフ) - とても嬉しいです!ありがとうございます!この後どうしていこうか思案中なので更新待っていて下さい!頑張ります! (2016年7月27日 21時) (レス) id: dae8dd9e10 (このIDを非表示/違反報告)
かなり。(プロフ) - 最高です!!感情の表現がすごく細かくて尊敬します!!応援しています! (2016年7月27日 21時) (レス) id: 681ac572b8 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き粉(プロフ) - 意見ありがとうございます!確かに詰め込んでる感はありますので、改善していきます。 (2016年3月29日 21時) (レス) id: dae8dd9e10 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキューって神だよね。 - 少しぎゅうぎゅうで読みづらいです。もう少し間が空いていると読みやすいです。無理言ってすみません。更新がんばってね。 (2016年3月18日 12時) (レス) id: 3186d38158 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:歯磨き粉 | 作成日時:2016年3月10日 23時

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