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2話 ページ3

結局、その喰種は取り逃がした。散々捕食をした後満足したのか強行突破で逃げて行った。
死体がごろごろ転がっている。さっきまで生きた人間だったものたち。今やもう、無惨な状態だ。それが生きていただなんて想像も出来ないくらい。その中に、彼女もいた。

倉元「この人は…丈さんの何だったんですか?」
現場で後処理が着々と進む中、俺は座り込み、ただの肉塊と化した彼女を抱え呆然としていると、そんな質問をされた。

平子「…俺の、彼女だ。」

倉元「そんな…」
どう言葉をかけていいのか、迷ったのだろう。結局何も言わずに、俺のそばを離れていった。
いつまでも、ここにいていいはずがない。彼女の遺体も、彼女の両親の元へ帰さければいけない。けれど…俺は?遺された俺は、一体これから何を支えに生きていけばいい?彼女がいたから頑張れた部分もある。今日、付き合ってちょうど3年の記念日だったのに。夜には一緒にご飯を食べて、プロポーズをするはずだったのに。何故、これからって時に俺は一人残されたんだ?それよりも、何故彼女はこの場にいたんだ?

「ご遺体を、回収します。よろしいですか?」
遠慮がちに、聞かれる。それもそうだ。俺が抱きしめて離さないから。

平子「この遺体は、俺が引き取る。棺だけこっちに回してくれ。」

「ですが…」

平子「早く回せ。」

「は、はい。」

倉元「丈さん…その、大丈夫ですか?」

平子「ああ…今は少し混乱しているが…なんとか、大丈夫だ。」

倉元「そう、ですか。棺、運ぶの手伝いますよ。」

平子「助かる。両親の元に、帰してやらないとな…」
明るい人だった。自分が、あまり感情を出さない方だから、どんな時も分かりやすく表情がくるくる変わる彼女に、惹かれたのかもしれない。どうしようもなく好きだった。口にしたことはなかったけれど…こんなことならもっと、好きだと伝えておけば良かった。
俺の方がどうやっても先に死ぬだろうと思っていた。死と隣り合わせの仕事を選んだのも自分だ。だから、例え死んだとしてもそれはしょうがないと割り切れるが…一般人のAが、俺より先に死ぬなんて。俺はこれから、彼女のいないこの世界を、どう捉えればいいんだ。どう、向き合えばいいんだ…。

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駄郎(プロフ) - すごく心が痛くなりました(´;Д;`)めっちゃ切ない作品、、、素敵でした、、、(><) (2018年5月28日 1時) (レス) id: d57e5a8b8d (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き粉(プロフ) - とても嬉しいです!ありがとうございます!この後どうしていこうか思案中なので更新待っていて下さい!頑張ります! (2016年7月27日 21時) (レス) id: dae8dd9e10 (このIDを非表示/違反報告)
かなり。(プロフ) - 最高です!!感情の表現がすごく細かくて尊敬します!!応援しています! (2016年7月27日 21時) (レス) id: 681ac572b8 (このIDを非表示/違反報告)
歯磨き粉(プロフ) - 意見ありがとうございます!確かに詰め込んでる感はありますので、改善していきます。 (2016年3月29日 21時) (レス) id: dae8dd9e10 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキューって神だよね。 - 少しぎゅうぎゅうで読みづらいです。もう少し間が空いていると読みやすいです。無理言ってすみません。更新がんばってね。 (2016年3月18日 12時) (レス) id: 3186d38158 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:歯磨き粉 | 作成日時:2016年3月10日 23時

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