理不尽6 ページ8
次の日ー
あ「うおっ。早いね、菜摘。」
菜「おはよ！早起きして降谷君の朝練見てきちゃった♪」
あ「あ…そうですか。」
スマホを見つめながらうっとりしている菜摘。どうやらノッポ芋の写真を撮りまくったらしい。引くわー。
菜「あーどうしよ。本気で好きになっちゃった…。」
あ「どうするもこうするも、狙った獲物は逃がさないんでしょ。」
菜「ま、そうなんだけどね〜♪」
また始まった。菜摘の「恋煩い」。いつものこと。菜摘はすぐに誰かを好きになる。狙った相手は100%落としてるんだから凄いんだけど、モノにしたらあっという間に興味を無くすという天邪鬼。すんごい自由奔放な女。悪く言えば超自己中。だから、菜摘は同性に嫌われている。私は菜摘のこと面白い奴だと思うんだけどな。良くも悪くもはっきりしてるから、見てて清々しいんだよね。
あ「まー頑張れー。でもすぐ捨てんのは可哀想だからやめてあげなよー？」
菜「私だって捨てたくないわよ。まだ私の心を完全に掴んでくれる男に会ってないだけなの！その点では降谷君はいい線いってるわ〜♡」
意味わかんね。
あ「あーそうですか。さすが恋愛マスター。」
菜「まあね☆ねーねー！昼休みにさ降谷君の教室一緒に行こ！1年C組なんだけど！」
あ「は？ヤダよ。私の貴重な昼休みを奪うな。」
菜「友達でしょー？友達が恋に悩んでる時は手伝うのが筋ってもんでしょ！」
あ「恋とかしたことない私に手伝えることはない。」
菜「あるの！ついてくるだけでいいからさ！お願い！」
あ「…しょうがないなあ。たこ焼きね。」
菜「了解！ありがとね！」
嬉しそうに笑う菜摘は可愛いと思う。私の方が可愛いけど。
御幸「何？一ノ瀬また恋してんの？」
菜「また、は余計よ。女はね、常に恋をしていないとダメなの！」
あ「私女だけど？」
菜「お前論外。」
あ「酷っ！」
御幸「ははっ！お前らって面白いよなーってうわっ！？」
あ「それ以上近づくんじゃねーよ。」
さりげなく近づいてきたメガネにパンチを繰り出したが間一髪避けられる。
御幸「ははっ！ごめんごめん。ここならいい？」
1メートルギリギリのライン。
あ「まあ、そこなら…。」
気に入らないけど。
菜「ねえ、御幸ー。降谷君てさ、どんな子がタイプだか知ってる？」
御幸「知らねえ。あいつ野球のことしか考えてねーぜ？」
菜「役に立たねえな。」
あ「しょうがないよ。そもそも存在自体が役立たずなんだからさ。」
御幸「俺泣いていいかな？」
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作者名：歯磨き粉 | 作成日時：2016年3月3日 23時
