理不尽36 ページ39
あ「私も、菜摘には幸せになってほしいよ。」
心から、そう思う。
菜「ありがと!絶対幸せ掴んでやるわ!」
そんな話をしていると、あっという間に放課後になってしまった。
菜「あれ?もうこんな時間?大変!哲也さんの部活見に行かなきゃ!」
あ「おー、行ってこい。私は今日は帰るわ。」
菜「気をつけて帰りなよねー。」
あ「うん。」
カバンを取りに教室に戻ると、何だか女子が騒がしかった。
菜「なにー?なんかあったの?」
「あ!菜摘良いところに!校門にすっごいイケメンがいるの!!」
菜「マジでか!?どれ!?」
窓際でキャピキャピしている女子。私置いてけぼり。
「あそこ!大学生かな!?すっごいイケメンなのー♡」
てか校門まで結構距離あんのに、どうやって顔判別してんの?
「ほら!菜摘にもこれ、貸したげるから!」
おっと…今時の女子は双眼鏡をお持ちなのね。
菜「双眼鏡持ってんの!?すげーな。んじゃちょっと拝借♪」
「ね?超イケメンだよね!?」
菜「……A、雅哉来てるよ。」
あ「はあ?あいつ何やってんの?意味わかんない。」
「え!?2人とも、知り合い!?紹介してー♡」
菜「雅哉はAの兄貴だよ。けど、あいつはやめといたほうが良いよ?キモいから。」
「えー!?Aちゃんのお兄さんなの!?道理でイケメンだと思った!紹介して♡」
ダメだ、こいつら都合の悪いところは聞きゃしねー。
あ「いやあいつはマジでやめといたほうが良いって。超キモいから。」
「さっきから2人してキモいキモいって、お兄さん可哀想だよ!カッコよければ性格なんてどうでも良いじゃん!」
あ「そう言うけどさ、根っからの面食いな菜摘がキモいって言うんだから相当だと思わない?」
「…確かに。」
菜「しかもあいつ超絶シスコンだから、他の女なんて目に入ってないのよ。A以上に可愛くないと振り向いてもらえないんじゃない?」
「えー!?ハードル高すぎだよ!?でもさ、Aちゃんが妹だったら私も絶対シスコンになる気がする!」
あ「ただただ迷惑なだけなんでやめてもらえます?」
「冗談だよ☆」
菜「んで。問題は何で雅哉がここに来てるかってことなのよね。あんた、春市のこと話したりしたの?」
あ「あー…そういえば。」
菜「そのせいじゃん!絶対あいつ、春市のこと見に来たんだよ!どうすんの?」
あ「裏門から帰るわ。」
菜「オッケー。雅哉のことは私が引きつけるから。気をつけて帰りな!」
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作者名:歯磨き粉 | 作成日時:2016年3月3日 23時