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story:6 ページ7

.夢主side.


一体どれくらいの間
私は駅のトイレにいるんだろう

ここから、動けない
少しでも歩くと、吐き気が収まらなくなる

黄瀬先輩に滅茶苦茶失礼な事してしまった
あんなに取り乱したの初めてだ


兄の事とか髪に触れられたときだって

今までさらっと流してきた
あんなになった事は無かった


A「あの人といると…調子狂う……」

やば、喋るとまた吐き気が


A「ゔっ…ぅえ…っ」

もう、吐くものがないんだ

帰らなきゃ……

ここから…出なきゃ


駄目だ…

キツい、辛い、気持ち悪い

動く気力がでない……





『やめてっっ!やめてよ!もうやめて…っ』




嫌だ…やめてよ
なに……どうしよう

また嫌な記憶思い出しちゃった

洗面所…だここ

息が……

できない…っ…


A「はぁっ…はっ…はっあ…は…っうっ…っ
ゔっ…ぐっゔっ…」


誰もいない私には誰もいないよ

涙が止まんない


気持ち悪い、怖い、怖い、怖いよ

もう苦しめないでよお願いだから

思い出したくないの………
思い出したくないの!!!!







『おにい…ちゃん?』


あの顔一生忘れない

鏡に映った顔は
私に対する憎しみで溢れてた

鏡越しでも伝わる感情に

恐怖で動けなかった


一瞬の出来事だった



兄の手が私の首根っこを掴んだと同時に

洗面器に溜まった水に私の頭を押さえつけた


そこからは長かった

抵抗するにも出来なかった

力の差があり過ぎた

体も言うことが効かなくなって

幼いながらに
あぁ私死ぬのかなぁって思った



『なんでだよ…何で僕を置いていったんだ!!」


幼い兄の声

今でも鮮明に覚えてる

何があったのか覚えていない

それでもあのセリフだけは覚えてる

忘れられない 記憶だから


他にも数え切れないほど酷いことをされたけれど

後にも先にも、あんな苦しい思いをしたのは一回だけだったと思う

あの後どうなったのかは覚えてない

何故助かったのだろうか

きっと兄が何らかの方法で助けたんだと思う
私を殺したくはないんだと思う

分からないけれど

多分兄は私のことを傷つけたいだけ

理由は…やっぱり分からないけれど


思い出したくないのに


トラウマが癒えない

いつもいつも忘れられない


もう嫌だ…嫌だ…嫌だよなんでよ

なんで…



ープルルルルルプルルルルル


……電話?




[赤司征十郎]




……ねぇ神様

もうそろそろ、私消えてもいいのかな

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作者名:桃井結衣 | 作成日時:2018年11月4日 18時

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