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.夢主side.
赤司「いつもこんなに遅いの？」
A「まだ5時だよ、お兄ちゃん。普通…こんくらいだよ」
久しぶりに、兄の姿を見た
本当に、随分会ってなかった
A「どうして、来たの」
赤司「どうしてって…別に理由なんているかな」
分かんないけどそれは
分かんないけど…
赤司「髪…伸びたね」
兄の手が私の髪に触れる
A「…触らないでっ！」
…しまった
違う、駄目だ…絶対駄目だ
今…咄嗟に嫌な記憶が蘇って…
A「ごめんなさい…なんでもないの本当に」
赤司「ねぇ…A」
再び兄が私の髪に触れた
A「…いっ……た」
赤司「ちょっと一人暮らし始めて調子乗りすぎてるんじゃないかな？」
この人は小さい頃からずっと変わっていない
私が少しでも気に入らない事をすると
思い切り髪を掴む
掴んで、私が謝るまで離さない
何であんな事しちゃったんだろう
私、私が悪い
愚かな私が
お兄ちゃんには逆らっちゃ駄目
何でそんな当たり前の事忘れてたんだろう
一人暮らしして、少し自由になって調子乗ってたのかもしれない
きっと、お兄ちゃんの言う通りなんだ
A「ごめん…なさい………許してください…」
赤司「お前は僕の言う事だけを聞いてればいいんだよ」
A「はい……」
赤司「ちゃんと分かってるはずだろう？お前はそんなに馬鹿じゃない、二度と僕に逆らうな」
A「はい………二度としません」
赤司「…分かったらいいんだよ」
私を叱った後、決まってお兄ちゃんは優しくなる
髪を離して頭を撫でる
赤司「君の味方は僕しかいないんだから」
そういって優しく頭を撫でる
さっきの事は無かったみたいに
でも それでもいい
これが私の唯一の存在意義だから
髪を掴まれても、罵倒されても
きっと満更でもない
今この瞬間だけは
他の誰よりも愛されてる
守られている
そう感じるから
A「うん…分かってるよお兄ちゃん」
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作者名：桃井結衣 | 作成日時：2018年11月4日 18時
