好きです、先生/osmn ページ8
高校生となった私だが、絶賛片想い中の相手がいる。その人はオスマン先生と呼ばれる人だ。誰にでも優しく、わかりやすい授業をしてくれる。
普通ならばあきらかにモテる先生だと思う。ただ、彼にはひとつある性癖のようなものがあった。
それは、二人きりとかになると、下ネタをぶっこんでくることだ。そのせいか、オスマン先生を好きだという人は一部の生徒のみであった。
貴「あっ、オスマン先生ー！」
友達といるときの私より柔らかい声で愛しい人の名前を呼ぶ。
恋は盲目というがまさにそのとおりだろう。
「Aちゃんか、会いに来てくれたん？」
貴「はい！」
ふわりと優しく笑う先生につられて私も笑みがこぼれる。
二人きりの空間、私だけに見せる笑顔、大勢の前では使わない関西弁。それはどれも私の心を高鳴らせるには充分のもので、優越感に浸る。
「なにか用事でもあったん？」
可愛らしく首を傾げる先生は本当にずるいとおもう。
「あ、そうなんです。……ここがわからなくて。」
手に抱えていた参考書を広げて、先生に見せるとスッと腰に手を回される。突然のことに思わず固まってしまう。
なにも喋れず、口をはくはくと金魚のように動かしている私は先生の目にはどううつっているだろうか。
ガラッと滑りの悪そうな扉をオスマン先生が開ける。
帰宅組の下校時間は過ぎているため、教室には誰も居ないし、廊下にも気配ひとつなかった。
「……あんなぁ、Aちゃん。」
貴「は、はい。」
「生徒やから、勿論教えんねんけどな……。」
貴「……。」
緊張のあまりカラカラになった喉をごくりと、生唾をのんで潤す。
先程から心臓が激しく脈をうっている。トン、と優しく壁ドンされていて、嬉しさが溢れてくる。
「Aちゃんは特別やからなぁ……。そう簡単に教えたくないんや。」
先生としてあるまじきことをいうオスマン先生だが、今の私は特別という言葉にときめいていた。
貴「ど、どうしたらいいですか……？」
困惑した私に先生は言った。
「決まっとるやろ？」
視界が反転し、背中に衝撃が走る。状況が読めない私に先生は耳元で囁いた。
「Aちゃんの体、売ってや。」
野獣のような瞳で熱を注がれ、妖しく艶かしく笑う先生に私は頷くことしかできなかった。
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作者名：大佐 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年2月5日 15時
