第40話 ページ6
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ホームルーム活動は学級としての基本。それを学ばせてもらえるのは本当にありがたい。
「良かったですねAくん」
「はい!ジニア先生、本当にありがとうございます!」
「いいんですよお、ぼくもAさんのこと応援してますからねえ」
そう言って、ジニア先生は手を振り職員室へ向かっていった。
「それでAくん、確か生徒指導論のレポートは明後日を締め切りにしていましたが、どうですか、書けてますか?」
「はい、だいたいは。もう少し推敲して仕上げてきます」
「そうですか。Aくんのレポートは読みやすくていつも感心させられますですよ」
「ありがとうございます」
「参考文献も様々使っているようですが、小生の知らない本まで取り上げているのでこちらも勉強になるんですよ。アカデミーにある本以外にも読んでいるのですか?」
「基本的にはアカデミーの本だけでやってます。もしハッサク先生が知らないタイトルだったとしたら、多分校長先生が直接管理されている奥の書庫から借りたものだと思います」
「ああ、なるほど。エントランスの閲覧可の棚に無いのであれば、道理で読んだことが無いわけです」
クラベル校長はAの勉強を応援しようと、希望があれば通常閲覧不可となっている奥の書庫の本も貸し出してくれることがある。
「次のレポートも楽しみにしていますよ」
「はい、頑張ります」
「講義のレポートと並行して、この『宝探し』期間中は定期的に報告書代わりの考察レポートを出してもらうとお伝えしていましたが、授業見学があった日には毎回小レポートを出してもらいますので、そちらも併せてお願いしますですよ」
「他の先生の授業のレポートもハッサク先生に提出でいいですか?」
「構いませんですよ。必要があれば小生から各先生と共有しますので」
「わかりました」
ここに来て一気にレポートだらけになってきたが、忙しく管理が大変なだけで書くこと自体は苦痛ではないので、頑張るのみである。
「それでは小生はここで。熱心なのは素晴らしいですが、ほどほどにしてちゃんと休むのも大事ですよ」
「はい。ありがとうございました」
ハッサク先生と別れたAは、受付の人に借りていた本を返却し、新たにレポートに使えそうな本が無いか物色することにした。
大量の蔵書を見て回っていると、一冊の本が目についた。
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作者名:リトルポム | 作成日時:2023年1月14日 22時