第79話 ページ49
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ギュウギュウな空の旅の後、3人はボウルタウンに着地した。
先程までいたキマワリたちもいなくなっているし、町の人たちもめいめい日常生活を送っているところを見るに、今現在はコルサはジムの仕事で忙しいということは無いだろう。
「よし、それじゃあ一緒にジムに行ってみようか!」
連れ立ってジムに向かうと、受付のスタッフさんと雑談しているコルサがいた。
「コルサさん!」
「ム?……おお、Aか。それにこの前のチャレンジャーに、もう一人……アカデミーの生徒か」
「1年生のアオイちゃんと2年生のペパーくんです」
「フム。で、今日は何かね、またハッさんの使いか?」
「あ、はい。実はですね」
Aは手短に、ハッサク先生がコルサに美術の授業の特別講師を依頼したいと言っていて、その相談に来たことを離した。
「なるほど。特別講師」
「はい、どうでしょうか」
「他ならぬハッさんの頼みだ、勿論引き受けようではないか」
「本当ですか!?」
間髪入れずに了承してくれたので、Aは驚いてしまった。
「なんだ、断るとでも思っていたか」
「正直半々かなと。『宝探し』期間中はジムリーダーとしてお忙しいでしょうし、創作活動の時間も割いていただくことになりますし」
「確かにその通りだがな。ハッさんの頼みとあらば、極力協力させてもらう」
「ありがとうございます!来ていただきたい授業が次の次なので……来週金曜日の午後ですね。お時間いかがでしょう?」
「日にちも余裕があるし、ジムのことなどは調整しておこう。ハッさんに詳しいスケジュールと授業内容を送ってくれるよう伝えてくれ」
「承知しました」
手帳にその旨を書きつけ、鞄に仕舞う。
「なあA、創作活動ってどういうことだ?」
ペパーがそう尋ねてきたので、「コルサさんは芸術家なんだよ」と教えてやる。
「兼業ってことか、ジムリーダーって大変なんだな」
「ジムリーダーをやっている連中でこれを大変と考えているヤツはほとんどおらんだろう。……ああ、まあアオキは別だろうがな。なんといってもあいつは三足の」
「コルサさん!ジム巡り途中のチャレンジャーいますから!」
「おっと失礼!」
「とりあえず、ハッサク先生には快諾頂いたとお伝えしますね」
「ウム、くれぐれもよろしく頼む」
約束を取り付けることに成功したAは、後輩たちを連れてボウルタウンを後にしたのだった。
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作者名:リトルポム | 作成日時:2023年1月14日 22時