第71話 ページ41
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ところ変わって、テーブルシティ。
もうすでに空は薄暗くなっており、子どもたちは学校の寮や自宅に帰っている頃合いである。
今日はそこまで残業にならなかったチリは、大好きな妹分であるAと一緒に夕飯を食べに行こうと画策していた。
早速スマホロトムで電話をかけてみる。
「出るかなー……」
ところが、5コールを超えたというのに、一向に電話に出る気配がない。
通常3〜4コールくらいで電話に出てくれるので、5コール以上かかることは滅多にない。
「……今日は遅くまで学校に残ってるはずやないしなぁ」
とりあえず一度通話を切り、Aの家に向かってみることにした。
彼女がスマホロトムを手放しているとすれば、家に帰った後という可能性が最も高い。
到着し、ピンポーンと呼び鈴を鳴らしてみる。
しかし玄関先に彼女がやってくる気配すらない。
もう一度鳴らして数十秒待ってみたが、やはりAは出てこなかった。
「電波の届かないとこおるんか……？いやでもパルデア内で電波が届かないところなんか無いで？」
電波が届きにくそうなナッペ山や各種洞窟の中ですら、普通に通話できるのがパルデアの通信網。
「まさか……なんかあったんか？」
最悪の事態がちらと脳裏を過ぎるが、とりあえずはアカデミーに向かってみることにする。
四天王であるチリがアカデミー内に入ると生徒たちからの視線がかなり突き刺さったが、当の本人はそんなこと気にしている暇は無かった。
真っすぐ職員室へ向かい、「すんませんちょいと聞きたいんですけど」とノックもせずに扉を開けた。
「おやおやぁ。これは珍しいお客さんですねえ」
1年A組担任の生物学教師ジニア先生がほわほわとした笑みを浮かべている。
その他の先生もなんだなんだとチリに視線を注ぐ。
「今日うちの可愛いAがアカデミー来とったと思うんやけど、誰かその後の行き先知ってます？」
「あれえ、今日のAさんの授業見学、どの先生でしたっけ」
ジニア先生が隣にいたタイム先生に話を振ると、「どうでしたかね……」とタイム先生は知らない様子。
そこへちょうど、キハダ先生とハッサク先生が連れ立って職員室に戻ってきた。
「おや、チリくん。アカデミーにいるとは珍しい」
「お、ハッサクさんちょうどいいとこに。A今日学校から出た後どこ行く言ってたとか知っとります？」
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作者名：リトルポム | 作成日時：2023年1月14日 22時
