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続き ページ31

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「……どう?」

チョコレートを咀嚼していたチリがごくんと飲み込んだタイミングで恐る恐る聞いてみると、

「なんやこれ、めっちゃ美味いやん!」

とチリは表情を輝かせた。

「ダークチョコレートの中からじんわりと広がっていく辛みと鼻を抜けていくスモーキーな香り……余韻を楽しんでいたいチョコレートやな」

「よかった、気に入ったみたいで」

「チリちゃんAからもらえるものは本気でなんでも嬉しいんやけど、毎回こうやってチリちゃんの感性に響くもの一生懸命探してきてくれるんよなあ〜」

しみじみと言ったチリは、「そういうとこ大好きやで」と微笑んでくれた。

「おおきにA。残りは家に持って帰ってゆっくり、それこそお酒と一緒に楽しんでみることにするわ」

「うん」

「よし、んじゃチリちゃんからもバレンタインのプレゼントや」

チリが取り出したのは何やら少し大きめの紙袋。

「中見てええで〜」

「あ、ありがとう!」

取り出してみると、入っていたのはガラスの靴を使ったプリザーブドフラワーアレンジメントだった。

筆記体のローマ字で名前の刻印も入っている。

「わぁ……すごいねこれ!」

隣で見ていたポピーも「すごく綺麗ですのー!」と興奮気味だ。

「見つけた時ソッコーで『これや!』思うてな。強く優しく美しく、どんどん成長していくシンデレラのようなAにピッタリや」

「ありがとうチリ姉さん、大事にする!」

「喜んでもらえてよかったわ〜。チリちゃんその嬉しそうな可愛い笑顔が見たかったんや」

「チリちゃんばっかりじゃないですよー、ポピーからもAおねーちゃんにあるですのー!」

「実は(わたくし)も」

ポピーやオモダカも何やらプレゼントを用意してくれているらしい。

パルデアリーグのバレンタインは、どうやらまだまだ続きそうだ。



End




というわけでバレンタイン短編でした。

実は前半で登場した「スモークダークチリ」は、ヴェンキというチョコレートブランドで実際に販売されているフレーバーの一つです。

先日発見し「チリ」という名前を見て「チリ姉さん!!」と大興奮、食べてみたのですが、これが結構好みの味でした。

「これは短編書くしかないわ!」と、こうして取り入れた次第です(笑)

甘いチョコレートがお好きな方は苦手な味かもしれませんが、ワインやウイスキーといった洋酒を好む方ならお酒と一緒に嗜めるようなお味です。

気になる方はぜひ!

第62話→←バレンタインデー短編



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作者名:リトルポム | 作成日時:2023年1月14日 22時

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