バレンタインデー短編 ページ30
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遅ればせながらのバレンタインデー企画です(笑)
内容の一部は先日私が実際に食べたとあるチョコレートからインスパイアされたものです。
「チリ姉さん!ハッピーバレンタイン!」
2月14日、本日はバレンタインデー。
世の中はプレゼントを贈り合う幸せな空気が満ち満ちている。
そしてAも例外なく、いつも大切に想ってくれているチリに、チョコレートのプレゼントを持ってきたのである。
リーグを訪ねて行ったAを出迎えたのは、チリ含めた四天王、そしてオモダカの5人だった。
「お、A、お疲れ。今年もバレンタイン持ってきてくれたんやな」
「もちろんだよ。あ、皆さんにもありますよ」
するとポピーが「わーい!」といの一番に走ってきた。
「はい、ポピーちゃん、どうぞ」
「ありがとですのー!」
ポピーにはふわふわのギモーヴを持ってきた。喜んでくれたようで何よりだ。
「ハッサク先生、アオキさん、オモダカさんもよろしければどうぞ」
大人3名にはリキュールの入ったボンボンショコラを持ってきてある。
「あらあら、毎年ありがとうございます」
「あとで美味しくいただきますですよ」
「お酒の入ったチョコレート……今日は残業しないで帰れるようにしますかね」
そして、毎年の事ながら、チリには特別考え抜いたプレゼントを渡しているのだが。
「今年のチリ姉さんには、チリ姉さんの名前を冠したチョコレートを持ってきたよ」
「チリちゃんの名前……?」
珍しく理解が追いつかずにクエスチョンマークを浮かべるチリ。
「そう、このチョコレート、『スモークダークチリ』っていうらしいの」
Aから手渡された箱を開けたチリの目に入ったのは、4粒のダークチョコレート。
「『スモークダークチリ』……どんな味なんやろ」
「店員さんから聞いたところによると、チリペッパー……要するに唐辛子を使った辛みのあるチョコレートなんだって」
「辛いチョコレートやて!?」
思いがけない発言だったのか、目を見開くチリに「そう」と頷き続ける。
「ダークチョコレートだから甘いわけではないし、なんならお酒に合うって」
「へー……おもろいもん見つけたなぁ。よし、早速ひとついただこ」
言うが早いかチリは一粒取り出してぱくりと口に入れている。
「……」
チリは何も言わずにじっくりと味わっていて、珍しく沈黙が訪れる。
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作者名:リトルポム | 作成日時:2023年1月14日 22時