第61話 ページ29
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「まあルチャブルは特性が『てんのめぐみ』でないのが幸いですけど!」
特性『てんのめぐみ』は技の追加効果が発動しやすくなる。
上手く利用すれば非常にえげつない戦法を取ることも可能だ。
例えば他地方にいるトゲキッスというポケモンは、『でんじは』で麻痺させた後に『エアスラッシュ』で追加効果の怯みを含め行動不能を狙ってくるという戦い方もあるようである。
「さてルチャブル、もう一度アイアンヘッドだ!」
「ミミッキュかげうち!」
「おっ!?」
ミミッキュが攻撃態勢に入ろうとしていたルチャブルに素早く攻撃を仕掛ける。
『かげうち』はゴーストタイプの物理先制技。
ミミッキュのタイプ一致技であり、さらに『つるぎのまい』で火力アップ中。
当然手負いのルチャブルは戦闘不能になる。
ルチャブルは力なく倒れ、キハダ先生のボールへと戻っていった。
と、そのタイミングで、ワァァッ、と歓声が聞こえた。
二人がハッとして周りを見てみると、いつの間にか生徒たちが来ていて、二人のバトルを観戦していたようだった。
「もーキハダ先生もAさんもさすがですっ!見入っちゃったー!!」
興奮気味にそう言ってくれているのは、最前列にいたネモ。
「ねえねえAさんっ、私ともバトルしてくださいっ!」
グイグイと迫るネモに、キハダ先生が「どうどう」と声をかける。
「それも楽しそうだが、まずは授業を始めよう!いつの間にかみんな集まってくれたようだしな!」
「はーい……残念〜」
というわけで、改めて、バトル学の授業開始である。
「まず、今日はゲストを紹介だ!こちらのAが今日はバトル学の授業を見学しに来てくれたぞ!」
キハダ先生の目配せを受け、「初めまして」と挨拶をする。
「皆さんの先輩にあたるAといいます。今日はよろしくお願いします」
「よし!それじゃあ今日も元気にバトル学!押忍!やっていくぞ!」
キハダ先生はいつも通りの挨拶をした後、
「この前教えたテラレイドバトル!みんなは挑戦しているかな!」
と前回の話を引き合いに出して授業を始めた。
「テラスタルポケモンは強敵だ!難易度の高い相手だとさらに手ごわい行動をしかけてくるぞ」
これこそ、今日の授業のテーマ。
「その名もテラスタルシールド!相手がテラスタルシールドを展開してると、与えるダメージが大きく減ってしまうんだ!」
要するに、非常に倒しにくい状態になってしまうのである。
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作者名:リトルポム | 作成日時:2023年1月14日 22時