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第49話 ページ16

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すると見ていたポピーが「チリちゃんばっかりずるいですのー!」と言って、Aの横から抱き着いてきた。

ポピーの頭も撫でてあげると、「えへへ〜」と嬉しそうに笑っている。

そんな状態になっている時に、ドアが開いて「どうもお疲れさまです……」と疲れた声が飛び込んできた。

そしてその声の主は入り口でピシリと固まり、「……お邪魔しました」と言って出ていこうとする。

「あああアオキさん気にしないでください入っていただいて大丈夫です!」

Aは慌ててその人物―――アオキを引き留める。

引き留められたアオキは「……そうですか?」と言って遠慮がちに入ってきた。

「……秘密の花園、といったふうでしたので。入ってはいけないのかと思いましたが」

「アオキさんよーわかっとるやん!A、なんでアオキさん入れてしもたんー?」

「え、ダメだった?」

「もーちょっとAとの時間堪能させてくれてもええやん?なあポピー」

「はいー!その通りですー!」

その間もチリとポピーはむぎゅむぎゅと抱き着いてくるので若干苦しい。

「と、とりあえず先にアオキさんに荷物渡しちゃっていいかな?」

「そーいえば言ってましたねー、おじちゃんにお届け物?とか」

「ん、アオキさんに届け物?Aからアオキさんになんか届けるような理由あったか?」

「もー!チリ姉さんから言伝預かったんだよ、『アオキさんがハーブティーまた持ってきてほしいって言ってた』って」

その言葉を聞き、チリはようやく「そーいやそーやったわ」と離れてくれた。

それに合わせてポピーも離れてくれたので、Aは鞄の中を漁り、袋を一つ取り出した。

お手製のラベルが貼ってあり、「アオキさんブレンド」と書かれている。

「アオキさん、以前気に入ってくださったハーブティー、また小分けにして来たので、どうぞ使ってください」

アオキは「ああ……助かります」と疲れた声で受け取った。

「これを寝る前に飲むといい睡眠がとれるのか、翌朝の目覚めが違うのです」

「良かったです!疲労回復と快眠の効用をベースに考えてあるので。でもだからといって無理は禁物ですよ?」

「ええ、まあ、承知しているのですが、如何せん仕事が減らないもので」

「うう……なんとかなりませんかね?ハッサク先生が心配してて、『しっかり食べてしっかり休みなさい』と」

「ああ……彼にも心配をかけていましたか」

アオキは若干肩を落としているように見える。

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作者名:リトルポム | 作成日時:2023年1月14日 22時

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