No.49 ページ18
そう言って道明寺司がお手本を見せるかのように、リンゴを丸かじりする。それを見て唖然とする�眥�Aの隣から花沢類が一言。
類「僕には、そんな加山雄三みたいな真似出来ないよ」
・ ・ ・
つ「ちょっと待って、本っ当に花沢類がそう言ったの？」
あの花沢類の口から、加山雄三なんてそんな言葉が出るとは思えない。
司「……多少のハクションは入ってるけど、気にするな」
つ「もしかして、フィクションって言いたい？」
司「とにかくだ。俺はどうしても擦りリンゴを辞めない類が、俺の食い方を否定する類が、許せなくてな。」
・ ・ ・
回想2 ...
西門総二郎に美作あきらはチャチャをしていて、花沢類は擦りリンゴを�眥�Aはアップルパイを美味しそうに食べていた。
司「類、擦りおろしたリンゴを食い続けると若ハゲになる確率が高いらしいぜ」
る「……え」
花沢類はその瞬間、擦りリンゴの入った皿を落とした。割れた食器の音が部屋中に響く
チャチャを踊っていた二人は驚いて、�眥�Aも飛び上がる。そのままベッドの端まで泣きながら逃げていった。
当の本人、花沢類は泣きそうな顔で道明寺司をただただ見つめる。
・ ・ ・
司「あれから類は、大好物だったリンゴを口に出来なくなっちまった。俺は類から大好物を奪っちまったんだ、去年の春先の事だ。」
つ「…………あの〜」
司「しかも、若ハゲになるってのはその時に口から出たでまかせだったんだよ」
つ「何が言いたいのか、さっぱり分からないんですけど……」
司「つまり！俺は類に大きな借りがあんだよ！」
つ「それ実話！？」
司「大筋はな」
その瞬間、私は思い出した。道明寺が空港で花沢類にリンゴを投げ渡した瞬間を。
つ「だから、空港で……よく分からない。」
司「だからお前が類に惚れてんなら、俺は……」
つ「あの……万が一、万が一私が花沢類を好きだとしても、あの人には静香さんがいるじゃん」
司「……お前に本気で惚れられたら、類だってお前に惚れちまうよ」
つ「……へ」
司「俺が認めた女なんだからよ、そうに決まってんだろ。」
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作者名：もりのくまさん | 作成日時：2022年1月6日 9時
