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―赤司side―
次の日の朝、庭園に行くと
誰もいなかった
そして僕は庭園の奥まで
初めて足を踏み入れた
そこは、ここが学校だという事を
感じさせないくらい
幻想的で静かで緑以外
何もなかった
どこからか水の音が聞こえ
探してみると
小さな噴水があった
その水はこの庭園の
もう一つの命であった
きっと彼女がいない間
この噴水があるから
この植物たちは生きているのだとさえ思えた
ただボーッと木々の中に立っていると
温室に吹くはずもない一筋の風が
僕の背後から吹き
一瞬の静寂の後
一人の少女が現れた
!!
これ程まで驚いたのは
何時ぶりだろう
気配なんて微塵も感じなかった
しかし彼女が唄い出すと
有り余るその存在感は庭園に響き渡り
どんどん生気を取り戻した木々は
輝きがまし
一層、彼女を際立たせた
彼女の唄声以外、何も音がない
唄い終わった今もなお
一切、音はなく
彼女だけが声を発する事を
許された世界
僕は今、その中心にいる
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杠(プロフ) - 汐音さん» はじめまして!コメントありがとうございます!!是非、お友達になりましょう♪ (2012年12月31日 0時) (レス) id: 1eadf7c4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杠 | 作成日時:2012年12月29日 19時