13番街もう一人の実況者2 (ページ34)

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GAME74 ページ34

ｷｯｶ「ねえ～やっぱり一匹しかダメ？本当はあのちっこいのも欲しい」

駄々をこねるようにキハチに問うたキッカはそう言ってアンヤたちの後ろにいるヒミコを指した
指名を受けたヒミコはビクリと肩を鳴らして不安気な表情で彼女らを見やる

ｷﾊﾁ「そうじゃな...もう一匹だけなら...」

貴「待って」

ｷｯｶ「？...なによ」

貴「連れていくなら私を連れて行ってくださる？」

ﾋﾐｺ「！」

ｶｲｺｸ「!!」

突然の彼女の申し出にヒミコ含め全員が彼女を見やる

ｷｯｶ「はあ？あんた何言ってんの」

貴「そもそも私は正真正銘の”生贄”です。貴方らが提案した条件に一致するかと思いますが？」

ｷｯｶ「それでも私はあのちっこいのが欲しいの！だからあんたじゃなくてもいいのよ」

どうしてもと言うように彼女の意思が曲がる様子がない
けれどその意志を覆すように彼が口を開いた

ｷﾊﾁ「....いや、そやつにしよう...」

ﾋﾐｺ「!!」

ｷｯｶ「おっおじいちゃん...!?」

貴「...ｸｽｯ」

ｶｲｺｸ「！」

キハチの言葉に驚愕したキッカは訴えかけるような目でキハチを見る
そんなやり取りの中で彼女が小さく不敵に笑みを作ったのをカイコクは見逃さなかった

ｷﾊﾁ「よいなキッカよ...」

ｷｯｶ「...ちぇ...はぁい...」

渋々と了承した彼女に頷き空いた手でAを掴むとカリンがいる掌に降ろした

貴「大丈夫？」

ｶﾘﾝ「...はっはい...」

カリンの様子を心配する最中、引き返すようにキハチが動き出した途端彼を呼び止める声が響いた

ｱｶﾂｷ「あの！俺もお供していいですか？」

「「「!?」」」

続くように申し出たのはアカツキ
彼の言動に一同は疑問と驚きで言葉が詰まった

ｷｯｶ「だめよ、ひとつ処分しなきゃいけないもの。あんたはいらない」

ｱｶﾂｷ「まあそう言わず...お試しってやつです。要らなかったら処分してください」

キッカの断りに負けず押し入るアカツキに背後から怒鳴り声が響いた

ｱﾝﾔ「アカツキ!!何考えてんだテメ...」

ｱｶﾂｷ「カリンさんとAさん、女性だけには出来ないです」

貴「！(...アカツキくん)」

彼は時々分からない行動をする
今回も、善意からなのかただの好奇からなのか
彼女はそんな心境の中、小さく口角を上げた

ｱｶﾂｷ「お願いします、キハチ長老」

ｷﾊﾁ「.....おもしろい、いいじゃろう...」