GAME73 ページ33
貴「その手...離してくれます？」
祭壇に取り残されたAは冷酷な眼差しで鬼を見上げる
するとその声が届いのか力を込めていた手を緩めAへと目線を降ろす
「...ほう...やはり魅力的な"餌"じゃな...」
貴「(やはり...ね...)」
そう口にした鬼は彼らを両手に段々と彼女に迫り行く
ﾕｽﾞ「マキマキは!?」
ﾏｷﾉ「Zzz...」
ﾕｽﾞ「マキマキー!!」
ユズの呼び掛けも虚しく彼は鬼の手の中で既に爆睡状態
この状態では作戦も結構できないうえ、暫くは起きないだろう
このままでは彼女が危ない＿そう判断した時
ｶﾞﾝｯ!!
長い鉄の棒が鬼の頭にぶつかり鈍い音を立てながらその場に落ちた
これを投げつけたのは彼、アンヤだ
ｱﾝﾔ「テメーいい加減にしやがれっ!!」
貴「！」
「...なんじゃ...邪魔をするのか...」
ｱﾝﾔ「ふざけんな!!アカツキたちを解放しやがれ!!」
貴「待ってアンヤくん」
彼の言動を止めたことで今度は彼女に怒りの矛先が向く
ｱﾝﾔ「ああ!?テメーも正気か!?」
怒る相手を間違えているのではと思うほど罵声を上げるアンヤ
今彼を刺激したら余計に彼らが危ないと悟ったAは彼を無視して続ける
貴「いつまで正体を隠すつもりですか？..."キハチ長老"」
「「...!!」」
彼女の放った一言でその場の全員が驚愕した
何故なら鬼の正体は先程依頼を受けたキハチ本人だからである
ｷﾊﾁ「気づいておったのか...」
ｱﾝﾔ「こいつあのヒゲジジイか...!?」
驚くのも無理はないだろう
今の姿は数分前に見たひ弱な姿とは一変して数十倍もの大きさの巨人
纏う空気も殺伐とした重苦しいもの
彼らはそこで”この鬼には勝てない”＿と感じたはずだ
ｷﾊﾁ「ん？...なんじゃ...そこにおったか。どれにするんじゃ？"キッカ"よ」
「「「！」」」
ｷｯｶ「これ！これがいいわおじいちゃん!!この中で一番柔らかそうだもの！」
そうして姿を現したキッカはカリンを捕まえ菜切り包丁を首共に当てがう
先程とは違い鬼の目をして彼女は恍惚とした様子でカリンちゃんを見やる
ｷﾊﾁ「よしよし、じゃあそれにしよう」
そうして口にしたキハチはアカツキとマキノを手放しカリンを連れたキッカを掌に乗せた
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作者名：ティア | 作成日時：2019年9月10日 13時
