GAME04 ページ6
カイコク「野郎は丸腰で頑張んな」
「.....」
カイコク「じゃ」
「あっちょっと...!!」
くるりと振り返ったカイコクさんは逆方向から来ているカタツムリめがけて駈け出した
置いて行かれた私たちはカイコクさんの後ろ姿を見つめつつ溜息を漏らす
「なっなんなのあいつ...無茶苦茶よ、あんなのと戦うなんて」
貴「すみません、無理なこと言って」
「いっいえ、貴女が悪いわけじゃないですし...」
フォローしてくれた彼女に苦笑いを向け、後ろにいた彼を見やるとじっとパンダを見つめていた
その視線を辿るように見上げればパンダの目がこちらを一切向いていないことに気が付き、偶々行く道に私たちがいただけだと理解した
もしかして彼...そのことに気づいたのかしら...
「こんなところにいたら踏み潰される!」
貴「まって、急がなくても大丈夫です」
「なっ何言ってるんですか!?すぐにここから離れな..きゃっ!?」
彼女を宥めようとした途端に頭上から降ってきた白い靴下
彼女の頭に乗ったそれを持ち上げ、上を向けば幹をよじ登っている彼がいた
「なにしてんだこらあああ!!」
数秒の沈黙の後、最初に口を開いたのは彼女
幹の根元部分を思いっきり蹴り上げたかと思えば引き続き何度も蹴りいれ、彼を落とそうと揺さぶった
「ちょやめて!揺れる、落ちる」
「落ちろ!!鼻から粉砕しろ、なにひとりだけ逃げようとしてんのよ!?」
「誤解ですって」
枝に移った彼は安堵の溜息を洩らした後、そのまま先端へと移動する
そんな彼に落ちたら危ないと口にするもあっけらかんとして大丈夫だと止めない
何か策があるらしく私たちは彼を見守ることにした
「お〜これはなかなかの絶景...変態登山家の血が騒ぎますね」
貴「楽しそうですね、彼」
「バカだわ...本物のバカ...」
森林の上空でやまびこを試し始めたことに笑みを浮かべているとその声に反応したのか、巨大パンダは彼の目の前で立ち止まった
顔を近づけたパンダは彼を探るように匂いを嗅ぎ始める
カイコク「おい!なにしてやがる!」
ふと背後から焦りを含んだ声色が聞こえたかと思えば、ふらっと姿を消していたカイコクさんが戻ってきていた
貴「カイコクさん、大丈夫でしたか?」
カイコク「ああ、それよりあいつは」
「ほんとなにしてんのよあんたは!!」
再び彼を見れば今度はパンダの肉球に抱き着いていた
「一度触ってみたかったんですよね〜しかも肉球...和む」
「和むな!」
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ティア(プロフ) - ザクロさん» わわっとても嬉しいです、ありがとうございます!頑張りますっ (2019年8月27日 22時) (レス) id: a84115a91a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - すごい面白いです!更新頑張ってください (2019年8月27日 7時) (レス) id: 13cb67c2ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティア | 作成日時:2019年8月18日 12時