GAME05 ページ7
「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。こいつ散歩してただけなんで」
笑みを向けながら敵意はないことを口にする彼に驚きの表情を向ける
やっぱりあの時点で私たちを見ていないことに気づいていたんだと納得する
「逃げているときまったく俺たちのこと見てなかったんです。俺たちの逃げる方向がたまたま散歩コースと重なっただけ、俺たちを襲う気は元からないですよ。な...パン太郎」
パン太郎...？
ｽｯ...
「「「！」」」
彼がパン太郎の鼻を撫でた途端何を思ったのかパン太郎が大きく口を開き始めた
「ばか！はやく逃げて!!」
口を開けたまま彼に近づいた距離はわずか数センチ
彼女の悲鳴に近い声を上げたその刹那＿
ぶひゃん!!
「「「.....」」」
まるでスローモーションで見ているかのような盛大なくしゃみが響き渡った
ｶｲｺｸ「...汚ねェな」
貴「...汚いですね」
至近距離で浴びた彼の上半身は鼻水とくしゃみでぐっしょりと濡れていた
鼻を啜りながら手で擦っているパン太郎に自身についた液体を拭いながら何やら話し込んでいる
しばらくその様子を見ていた私たちは彼がパン太郎を見送った後、木から降りてすぐに近くの川へ移動することにした
ｶｲｺｸ「やるじゃねェか、あんな状況でよく見てやがったな」
「君がなんども目だと言ってくれたので、そのおかげで。それに...血を流す前にできることって結構ありますから」
ｶｲｺｸ「へェ...」
貴「.....」
くしゃみを被った顔やブレザーを洗い、淡々と話を続ける彼にまたも不敵な笑みを浮かべているカイコクさん
私と同じように彼に興味が湧いたのかもしれないと思いつつ、木陰で膝を抱えている彼女に歩み寄った
貴「大丈夫ですか、立てます？」
「もっもう少し...」
貴「今、冷やすもの持ってきますね」
「ありがとうございます」
少しげっそりしていた様子に心配になりハンカチを取りだした
ふと声をかけられ振り向けばカイコクさんがこちらに歩み寄ってきた
ｶｲｺｸ「Aちゃんは大丈夫かい？」
貴「はい、私はこの通り元気ですよ」
ｶｲｺｸ「そうかい、なら良かった」
貴「ご心配いただきありがとうございます」
心配してくれたことに笑みを浮かべつつお礼を言うと背後から彼女の悲鳴が聞こえた
至近距離の声に驚き振り返れば、先ほどのカタツムリがうにょうにょと動きながら彼女に近付いている
「や...こっち来ないで！たたっ切って刺身にするわよ!!」
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ティア(プロフ) - ザクロさん» わわっとても嬉しいです、ありがとうございます！頑張りますっ (2019年8月27日 22時) (
レス) id: a84115a91a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - すごい面白いです！更新頑張ってください (2019年8月27日 7時) (レス) id: 13cb67c2ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ティア | 作成日時：2019年8月18日 12時
