GAME37 ページ39
貴「あっ、刀勝手に借りちゃってごめんなさい。あの後も少しだけ使わせていただきました」
まるで逸らすようにように声を上げ刀の柄と刃に手を添えた差し出せばそれをじっと見やるカイコク
カイコク「ああ...別に壊してくれても良かったんだがな」
貴「えっ?」
カイコク「いや、必要になったらいつでも言ってくんな」
意味深な言葉を発したカイコクに返してみたがすぐにいつもの笑みを向けてきたのでそれ以上は聞かないことにした
貴「そういえば、このマンイーター突然動かなくなったんです。昼行性の生き物みたいで、恐らく日没が原因なのかと」
カイコク「だからこんな状態なんでェ」
こくりと頷いた彼女はマンイーターに触れたがやはり微動だにしない
その事を確認したカイコクは一先ず食糧庫に戻ることを提案しそれに同意したAはまたも頷いた
彼女が足を進めようとした途端にカイコクはそれに気づく
カイコク「Aちゃん、それどうしたんでェ?」
貴「?...あぁ、さっき少しだけ掠りまして」
目線を辿れば先程怪我をおった腕に向けられていた
掠れた拍子に布が解れ肌がちらり見えるがそこには数センチほどの赤い線が入っている
貴「でも大したことないので大丈夫ですよ」
隠すように手を当てなんでもないように笑みを向ける
カイコク「....これ巻いときな」
見兼ねたカイコクは腰紐をするりと抜き取り彼女に手渡した
貴「いえ、大丈夫ですよ」
カイコク「いいから」
貴「でも汚れちゃいます」
中々受け取ろうとしない彼女に痺れを切らし腰紐を手にしながら彼女の腕を持ち上げ傷口を塞ぐように巻いていく
貴「!..カイコクさん?」
戸惑うAを無視して器用に巻き終えると満足したような笑みを向けた
そんなカイコクの行動に見開いた目を戻して苦笑いを浮かべた
貴「ありがとうございます」
カイコク「いいってことよ」
貴「では戻りましょうか」
そうして地下階段へ足を進めたAの後ろで一向に動こうとしないカイコクは彼女の背中を見つめ声をかけた
カイコク「...なあAちゃん」
貴「はい?」
くるりと振り返った彼女に疑問に思っていたことを問うてみる
カイコク「一応確認なんだが、Aちゃんは何者なんだい?」
笑みを浮かべ問いかける彼だが、その瞳の奥からは疑いの色が伺える
瞬きを一度した後彼女はクスリと笑みを浮かべると口元に人差し指を当て妖艶な眼差しで口を開いた
貴「"ただ"のゲーム好き、の実況者の一人ですよ」
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ティア(プロフ) - ザクロさん» わわっとても嬉しいです、ありがとうございます!頑張りますっ (2019年8月27日 22時) (レス) id: a84115a91a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - すごい面白いです!更新頑張ってください (2019年8月27日 7時) (レス) id: 13cb67c2ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティア | 作成日時:2019年8月18日 12時