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GAME36 ページ38

カランッ



静まり返る薄暗い廊下に響くのは下駄の掠れる音
その音の主は傘を片手に真剣な面持ちで上階を目指していた

その表情にはどこか少しだけ焦りにも似たような色がチラついている
事の発端は数分前_



合流したアカツキから別れた後の話を聞いた先着組
彼曰く、アンヤが体調不良により倒れたところ後追いしたマンイーターに遭遇
そんな中彼女の申し出により足止めをしてもらいアンヤを引き連れて食糧庫に足を運んだというわけだ



その話を耳にした途端知らずうちに食糧庫を飛び出し現状に至っている



カイコク「(一人でマンイーターを...)」



彼女の行動に疑問を持ちつつもふと脳裏に過ぎるのは先程のユズとの会話



ユズ[ミミクリー・マンイーター"模倣する人食い"の意味だ_]



カイコク「人喰い...」


まさかとは思いつつも最悪の場合もありうる
あの時の彼女の動きが尋常じゃなかったにしろ彼女は女だ
自分ならまだしも彼女が無事でいられる保証はどこにもない_それ以前に彼はまだ彼女のことを何も知らない



そうこうしているうちにアカツキが別れたと言っていた階に辿り着く

突き当たりの角から身体を覗かせれば薄暗い廊下に月明かりが差し込んでいた
その明かりに照らされているのはまるでオブジェと化したマンイーターと探し求めていた彼女


窓の外を見つめる彼女は心ここに在らずといったような様子
その横顔には別れる前に見た時の寂し気な表情で天を仰いでいる



気配に気づいたのかこちらを振り返った彼女の瞳は少しだけ冷めた色を含んでいた



貴「!...カイコクさん、ご無事だったんですね」



自分の存在に気づいた彼女は一変して笑みを向ける


カイコク「Aちゃんこそ大丈夫かい?」


貴「はい、でもどうしてここへ?」


カイコク「入出から聞いてな、迎えにきた」


貴「ありがとうございます。アカツキくんたちも無事合流出来たんですね、よかった」


安堵するAに頷いた彼は横のマンイーターへ目線を移した
動く気配がないそれの口にはパイプが突き刺さり周辺には切り離されたであろうツタが所々に散らばっている



カイコク「"これ"はAちゃんがかい?」


それを目で指しながら問うてみれば彼女は伏し目がちにポツリと呟いた




貴「....そうですね」

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設定タグ:ナカノヒトゲノム , 実況中 , 鬼ヶ崎カイコク   
作品ジャンル:アニメ
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ティア(プロフ) - ザクロさん» わわっとても嬉しいです、ありがとうございます!頑張りますっ (2019年8月27日 22時) (レス) id: a84115a91a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - すごい面白いです!更新頑張ってください (2019年8月27日 7時) (レス) id: 13cb67c2ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ティア | 作成日時:2019年8月18日 12時

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