GAME26 ページ28
__き_
__おに_さき__
「鬼ヶ崎!!」
カイコク「?!....っ?」
ザクロ「平気か」
目を開ければ小さな電気の灯りを含んだ真っ黒い天井
横には焦りの色を浮かべるザクロ
立っていたはずの身体は横になり背中には固く冷たい感覚が広がる
ゆっくりと身体を起こしながら今起きている状況を整理する
カイコク「...今俺..どうなってた...?」
ザクロ「数秒気を失ってた。あの生き物のせいだ」
冷や汗がながれ落ちる中、ザクロが視線を送る方へ顔を向ければパカメラを片手にこちらを見下ろすパカが何事もなかったように立っている
パカ「なにが見えました?」
カイコク「...?」
パカ「先ほど説明を省きましたが、このパカメラ...ストロボ機能もございます」
ザクロ「ストロボ機能だと?」
パカ「光を直視した者を一時的に失神させ"悪夢"を見せるとか」
カイコク「...悪夢?」
フラッシュバックするようにパカが言った"よい悪夢"から被りものを脱ぎ取った瞬間
思い出そうと頭を動かすとズキリと鈍い痛みが広がり咄嗟に額を抑えた
カイコク「....あれが..夢...?」
パカ「何やら夢うつつのご様子_まあご安心を...これより先は現実です」
より一層殺伐とした雰囲気を漂わせたパカが革靴を鳴らしながら1歩ずつ歩み寄る
危険を察知したザクロは咄嗟に隠し持っていた発煙弾を落とし辺り一面を白い煙で包み込んだ
ブシュゥゥ
パカ「おや逃げますか、ワタクシこう見えて鬼ごっこ大好きでございます」
驚きもせず淡々とした口調で口を開くパカに一つの人影が近寄る
カイコク「独りでやってな」
ゴキンッ
振りかざしたカイコクの番傘はパカの頭を叩き入れ折れるような鈍い音を放った
直ぐ様パカから飛び退き誘導するザクロの後に続きその場を離れる
ザクロ「殺ったのか」
カイコク「わからねェ、手応えはあったが...」
様子を確認すべく振り返れば、消えゆく煙の中から見えた奴はあらぬ方向に曲がった首を鈍い音を漏らしながら戻し、ゆっくりとこちらへ振り返った
その表情は身の毛がよだつほどの空気を放っていた
ザクロ「...ッ!」
カイコク「...バケモンか」
ザクロ「急げ鬼ヶ崎!」
カイコク「言われなくてもっ」
先程よりもスピードを上げ来た道を逆走し50階に続く階段を駆け下りる中_革靴の音が谺する
ザクロ「まずい...追いつかれる!」
ガシャンッ
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ティア(プロフ) - ザクロさん» わわっとても嬉しいです、ありがとうございます!頑張りますっ (2019年8月27日 22時) (レス) id: a84115a91a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ - すごい面白いです!更新頑張ってください (2019年8月27日 7時) (レス) id: 13cb67c2ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティア | 作成日時:2019年8月18日 12時