魔法にかけられて ページ28
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「私ね、小さい頃魔女になりたかったんだ
まあ今も少しなりたいって思うんだけどね」
突然そう言った彼女は屋上を吹き抜ける風に髪を揺らしながら微笑んだ。
『きれい』
その三文字がよく似合う彼女をいつまでも見ていたいと不意にそう思った。
「…どうして魔女なの?」
彼女、Aについ見とれてしまい数秒たってようやく言葉がでた。
そんな俺に気付いているのかいないのか、彼女はまたわらって口を開いた。
「お話によって敵になったり、味方になったり。
ミステリアスでかっこいい魔女に小さい頃から憧れていたの。
杖や指先からきらきらって光る魔法を出せる魔女って、素敵じゃない?」
彼女が何かについて熱く語る姿はとても珍しくて驚くと同時に、きらきらと輝く表情が可愛らしくてつい笑う。
すると我に返ったらしいAは頬を赤らめ顔を逸らした。
「変だと思う?引いた?」
「いいや、いいと思うよ。
でも魔女ってAらしいよね。Aってなんとなく魔女っぽいもん」
「そうかなぁ、嬉しいな」
そう言って嬉しそうに微笑んだAはくるくるとその綺麗な髪を指先でいじる。
一つ一つの仕草が綺麗で、なんとなく輝いて見える。そんな彼女は本当に魔女なんじゃないかと思えた。
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瑠璃?(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます。 とても素敵な作品ばかりで尊敬します……! 春音さんのお話に出てきた先輩は弟の姉さんでしょうか? 合ってたらお友達d)) ……これから更新されるお話も楽しみにしてます! (2016年10月29日 9時) (レス) id: 72272aaac8 (このIDを非表示/違反報告)
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