第六十話 どれだけ楽なんだろう ページ14
◇シルバーside
『こんなにスッキリしたのハ、久しぶりダヨ！！』
「そうか…それは良かったな。」
「Aの飛行術、凄く良かったぜ！！今度、オレにも教えてくれよ！！」
『普通に乗ったダケ。教える事なんて、全然ナイヨ。』
去年、会った時よりも変わってしまったA。
今は明るく振る舞っていても、目はもう諦めている心を映しているのだろう。光は既になかった。カリムやフロイドも気付いているだろう。喋り方も違う。
何時でも何処でも寝る俺に、優しく起こしてくれるA。カリムの話だって最後までキチンと聞いてあげる優しさを持つ人物。今ではもう、それは限界に近付いているだろう。
『アルアジーム君、シルバー君…授業中はあれダケド、もう俺に関わりに来ないデネ。君達を危険に晒したくナインダ。分かってネ。』
「……え？A…それってどう言う……」
「……分かった。お前がそれを望むなら。カリム、行くぞ。」
「え？シルバー…？ど、どう言う意味なんだ！？」
すまないがカリム。アイツが望むなら、そうするしかない。Aはカリムみたいな心が綺麗な人物は、心が痛むんだろう。後でキツく言っておかないと。宴に誘いに行くだろうな。
後ろを見ると、哀しそうな、諦めている目で俺達を見て一瞬、笑って彼処を去るA。何故、お前が苦しそうな顔をするんだ。こっちだって必要以上、喋れない。触れられない。目も合わせられないのは辛いんだ。
「な、なあ…今日のA……可笑しくなかったか？」
「…可笑しかった。カリム。一旦、明日から、Aから離れよう。フロイドとも話したいしな。」
「そんな…でも、アイツが望むなら仕方ないな！！よし！今からフロイドの所へ行くか！！」
「待てカリム。そう焦るな。Aを助けたいのは分かる。だが、ジャミルやセベクにバレたらどうする。」
図星が当たったのか、動きを止めるカリム。なあ、A。あんなカリムも明るい顔をしながらも、心は焦ってる。これ以上、1人で抱え込むな。お前は独りじゃないって言えたらどれだけ楽なんだろうか。
そんな事言われても、お前には目障りなんだろう。
後ろから水が落ちる音が聞こえ振り向くが、気の所為だと思い、前を向き戻る。
気の所為だと思ったその水の音が、後悔を連れて来るとは思っていなかった。
◇
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あぶら菜 - かーぱーんさん» かーぱーん様コメント有り難う御座います。一気読みなんて…有り難う御座います。応援、有り難う御座います。更新、頑張りたいと思います(*^^*) (2021年5月18日 15時) (
レス) id: 8019e5d7e3 (このIDを非表示/違反報告)
かーぱーん - 面白くて一気読みしてしまいました!これからも無理しない程度に更新頑張ってください! (2021年5月17日 17時) (レス) id: 3af77494df (このIDを非表示/違反報告)
あぶら菜 - お眠パンダさん» お眠パンダ様コメント有り難う御座います。面白く出来てて良かったです。更新、頑張りたいと思います(*^^*) (2021年5月16日 17時) (レス) id: 8019e5d7e3 (このIDを非表示/違反報告)
お眠パンダ(プロフ) - 面白いです続きがとても気になります! (2021年5月16日 17時) (レス) id: 50f17e187f (このIDを非表示/違反報告)
あぶら菜 - 蘭桜華孤さん» 蘭桜華孤様コメント有り難う御座います。応援、有り難う御座います。はい、夢主に本物のhappyENDを与えてあげますので！更新、頑張りたいと思います(*^^*) (2021年5月16日 15時) (レス) id: 8019e5d7e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぶら菜 | 作成日時：2021年5月2日 14時
