たまには。【灰崎祥吾】 ページ40
Aside
黄「Aっちー!」
ドアを開けた瞬間に聞こえる声。
あ「おはよ。…今日は何?」
私が教室に入るなり駆け寄ってきたということはきっと何か用事があるんだろう。
…まあ大体予想つくんだけど。
黄「宿題の答え、見せてほしいんス!」
満面の笑みでこれときたもんだ。
あ「…何回目よ」
黄「さあ?」
わかんなーい、といいながらニコニコしている。
…全く。
あ「今日くらいちゃんと自分でしなさい」
そのとき、フッと表情が変わった。
黄「えー、昨日遅くまで祥吾クンの話聞いてあげたのは誰っスかねー?」
さっきまでの人懐っこい笑顔とは打って変わって、ニヤリと笑って問いかけられる。
あ「…それは言わないで。ほんとにほんとに感謝しております」
黄「てことで、宿題みーせて!」
あ「…はい」
それを出されてしまえばあとはもう何も言えない。
満足気に私のノートを受け取りせっせと写している彼を横目に見ながらぼーっとする。
あ「あ」
黄「ん?…あ」
思わず声を上げる。
それにつられ涼太も私の視線の先を見る。
灰「またリョータかよ」
言いながらためらうことも無く教室に入ってくるのは紛れもなく私の彼氏。
クラスの皆も慣れたもので今では誰も気にした様子もない。
あ「いつも言ってるでしょ?涼太は親友なんだって」
いつの間にか隣に座る彼に言う。
灰「…わーってる」
この言い方は納得がいってないとき。
確かに祥吾の気持ちはわかる。
でも仕方ないのだ。
入学して初めて隣の席になったのが涼太だった。
それがきっかけでだんだん仲良くなって、今では1番一緒にいる時間が長い。でも私たちの間に友達以上の感情がないのはお互いがいちばんよく知っている。
だから、ただの友達で、それが異性だっただけの話。
あ「不安?」
灰「そりゃそーだろ」
あ「じゃあ…」
立ち上がって祥吾の前に立つ。
そしてー
唇に、そっと触れるだけのキス。
あ「…これで、どうでしょう?」
灰「え、おま」
あまりの驚きに目を見開いたままだ。
あ「まだ不安?」
灰「…こんなことされて、さすがに言えねぇだろ」
あ「よし、じゃあ大成功!」
呆気にとられてる祥吾を前に私はにっこり笑った。
(…Aっちー?さっき何してたんスか?)
(…秘密。)
(…ふーん、まぁだいたい想像つくけど。)
(…えっ、何でよ。)
(…よかったっスね、誰にも見えなくて。)
(…いつもは祥吾からだから。)
(…たまには私からも、ね。)
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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - リクで↓の続きです 虹村も嫌い祥吾様守れるのは夢主だけ祥吾様は他者依存型+性格変更型夢主は他者愛型(溺愛)青峰に殴られる時、間に入って夢主が殴られる 〜型って書いてるのはアンサイクロペディアに書いてます (2019年4月4日 19時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の事は必ず様付け+常に敬語祥吾様は絶対「祥吾様は彼氏兼教祖様自分の息子みたいに可愛い」って言って 僕っ娘で祥吾様の為なら最強祥吾様を傷付け奴は排除青峰は祥吾様殴ったから黄瀬はポジ赤司は強制退部させたから嫌い祥吾様の面倒見てるっぽい (2019年4月4日 19時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
高尾涼(プロフ) - もち稲荷さん» ありがとうございます!とても嬉しいで! (2019年3月25日 4時) (レス) id: 262d7204a3 (このIDを非表示/違反報告)
もち稲荷 - すっごいキュンキュンします!好きです、こういうの! (2019年3月24日 23時) (レス) id: 2f43d3b82c (このIDを非表示/違反報告)
高尾涼(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 遅くなってしまいすみません、いかがですか?要望等あればぜひ教えてください!リクエストありがとうございました! (2019年2月20日 17時) (レス) id: 262d7204a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高尾涼 | 作成日時:2018年4月19日 18時