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君との距離は。【宮地清志】 ページ32

宮地side


あ「ねーねー清志ー」

宮「何だよ」

あ「清志の返事って『何だよ』か『あ?』だよね」

そう言ってケラケラ笑い出す。

全く。

オレが気付いてないとでも思ってんのかコイツは。


あ「ねー清志ー、あたし髪切ろっかなー
ショートなんて何年ぶりだろ
小学生の頃以来かなぁ、懐かしいでしょ?」

宮「A」


あ「あ、リップも赤じゃなくてピンクにしよっかなー 似合うと思う?可愛いと思う?」


宮「A!」


オレの声にびくんと肩を揺らす。

宮「A。無理すんなって。」

あ「…無理、なんか「してるだろ」

遮って続ける。

宮「お前オレに隠し通せると思ってんのか?
何年隣にいると思ってるんだよ…轢くぞ」


みるみるうちにAの目が潤む。

そしてー


あ「…うっ、うう……きよ、し…」

オレの学ランを握って胸に頭を押し付けてくる。

なきじゃくる姿はいつもの明るい姿には程遠く、それがどうしようもなく愛おしい。


あ「…アイツ、かのじょ、いたの…」

宮「…おう」

あ「…すき、…ったの…」

''好き''の言葉が胸を締め付ける。

自分以外の男に向けられる''好き''をまさか目の前で聞く日が来るとは思わなかった。

''好きだった''
と はっきりとは聞こえなかったのはAのせめてもの抵抗なのか。



あ「…ぜんぶ、アイツのためだった、のに…」


宮「…そーだな、知ってた。」



そう、知ってた。
痛いほど、知ってた。


その髪も、その唇の色も、全部全部アイツのためだったって。




宮「…なぁA。」

あ「…なぁに?」


顔を上げたAと目が合う。


宮「…オレなら、泣かせねぇのに。」




(…幼なじみなんて、苦しいだけだ。)


(…君との距離は。)


(…近くて遠い。)

気づかないままで。【氷室辰也】→←戻ってきてよ。【黄瀬涼太】



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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - リクで↓の続きです 虹村も嫌い祥吾様守れるのは夢主だけ祥吾様は他者依存型+性格変更型夢主は他者愛型(溺愛)青峰に殴られる時、間に入って夢主が殴られる 〜型って書いてるのはアンサイクロペディアに書いてます (2019年4月4日 19時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様の事は必ず様付け+常に敬語祥吾様は絶対「祥吾様は彼氏兼教祖様自分の息子みたいに可愛い」って言って 僕っ娘で祥吾様の為なら最強祥吾様を傷付け奴は排除青峰は祥吾様殴ったから黄瀬はポジ赤司は強制退部させたから嫌い祥吾様の面倒見てるっぽい (2019年4月4日 19時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
高尾涼(プロフ) - もち稲荷さん» ありがとうございます!とても嬉しいで! (2019年3月25日 4時) (レス) id: 262d7204a3 (このIDを非表示/違反報告)
もち稲荷 - すっごいキュンキュンします!好きです、こういうの! (2019年3月24日 23時) (レス) id: 2f43d3b82c (このIDを非表示/違反報告)
高尾涼(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 遅くなってしまいすみません、いかがですか?要望等あればぜひ教えてください!リクエストありがとうございました! (2019年2月20日 17時) (レス) id: 262d7204a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高尾涼 | 作成日時:2018年4月19日 18時

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