第11話 ページ11
A「きり丸、アイスキャンディー売ろう」
きり丸「え？あ、はい！」
Aときり丸はアイスキャンディー売りを再開
尊奈門は乱太郎たちの護衛
無理のない範囲で、大胆な作戦が始まった
A「今からどんな目に逢おうと心配無用だからね」
きり丸「本当に、大丈夫っすか…？」
A「大丈夫。アイスキャンディー完売させよう」
きり丸「…わかりました！」
目を合わせ、すぐに切り替える
きり丸「アイスキャンディーはいらんかえ〜？」
A「アイスキャンディーいかがですか〜？」
すると、間も無く
怪しい旅人たちが次々と買いに来た
わざと近寄って、怪しまれない様にしているのだろうが逆効果である
A「ありがとうございます！」
きり丸「毎度！」
相変わらず女性は一人も買いに来ない中、
徐々に品数は減っていった
きり丸「最後の一つ！早い者勝ちだよ〜！」
きり丸がそう呼び掛ければ、すぐさま寄ってくる旅人たち
たった一つに複数人で来るのは明らか謎だが
身体の大きな男が前に出た
男「そのアイスキャンディー売ってくれよ。嬢ちゃん付きでな！！」
A「ッ……!!」
きり丸を庇った拍子に、力一杯左頬をぶたれ
よろけて地べたに手を付くA
きり丸「Aさん！！…くそ、何だお前ら！！」
きり丸は男を睨み付けるが、背後から手首を締められてしまう
男が大きな布袋を取り出したかと思えば
その中にきり丸をすっぽり入れてしまい
袋の口を縛ってしまった
布袋が暴れだした
男達は周囲を確認してから
布袋を担いで去っていった
完全に気配が消えたところで
痛みを我慢しながらゆっくりと立ち上がる
周りには親切な人達が
自分を心配して駆け寄ってきてくれていた
Aは、大丈夫、と笑顔を見せ
男共が去っていった方を見据えた
乱太郎たちは、尊奈門が無事に忍術学園に送り届けているはず
アイスキャンディーも完売したが
最後の一つを渡した直後に男が落とし、地面に溶けた痕が広がっていた
A「(きり丸に悪い事しちゃったな……)」
出店を片付けて
男共の跡を追った
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作者名：成瀬 | 作成日時：2022年7月25日 16時
