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「さて、準備は出来たね?」



あの後色々と準備をして、願いを叶えるには何が必要かなど本を読み漁った。
時計の針なんてもう7時をさしている。
後戻りなんてものはもう出来ない。



「…それじゃあ始めるよ」



「"我の声を聞き届けよ、(なんじ)に我の願いを託そう、我が身を犠牲にしまいと足掻く我らの一部が糧なり、我が代償なり"」



この言葉さえも本に書いてあったのだ。
まるでこの言葉を言うように誘導しているみたいだった。
しかし、僕らは上に書いてある言葉を全員で一斉に言ったのだ。
罠だと疑う素振りさえしなかった。


そしてこの言葉を言った瞬間、周りが光った。





目を開けるのも困難な、そんな閃光が僕達を襲ったのだ。目を開けたのはそれから数分ほどたった時だと思う。




目を開いたそこに居たのは___






一人の悪魔だった。






いや、違いますね。
"魔王"と言った方が良いですか。
…その魔王様は、僕たちにこういった。



【何を願う?】



そりゃあ怖くなかったと言えば嘘になります。
でも、それでも僕達は願ってしまった。



とてもとてもくだらない…願い事を。





「お、俺は…怒られたくないっス!」



黄瀬くんがそう言った。
この時点であ、もう後戻りも何も出来ないんだって悟ってしまいました。


黄瀬くんが言ってしまったらあとはもうカンタン。
ほかの皆さんが次々と願い事を言ってしまいました。


「俺は…バスケをもっと上手くなりたい!」


「…俺はお菓子がいっぱい食べたい」


「俺は、自分の性格を変えたいのだよ」


「俺は母さんを楽にしてやりたいな。母さんは家事とかで疲れてるから…」


「僕は、みんなと暫く離れたくないです。」



「わ、私…は…いつか…好きな人が出来たらいいな、って」




…この願い事をした後、魔王様はどうしたと思います?








そう、正解は___

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作者名:さくや | 作成日時:2019年5月8日 19時

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