天使だった幼なじみがハイスペックイケメンになって私を迎えに来た。 (ページ10)

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事の重大さに、気づくのが遅い。

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「……もしかして、許嫁ってやつか…！？」

「許嫁？何の話してるの？Aちゃん」

焦凍くんが家に来てから丸一週間が経つのにまた焦凍くんのことを考えていた。おっと、いかんいかん。

友達もちょっと引いてるよ。私が独り言言い出したから引いてる。

私の前の席で、首を傾げながら鞄に教科書を詰めて帰ろうとしている友達の手を勢いよく握る。

そして悲鳴のように叫ぶ。

「恋かな！？」

「何が！？！？」

今日のAちゃん情緒不安定！？と言いながら帰ってしまった。

ちょっと引かれてたし心配もされてた。

そりゃあ、あんなイケメンに手を握られて抱き締められて、プロポーズされて頭ぽんぽんされたんだから、少しくらい悩むのも許して欲しい。

焦凍くん、本気なのかな。

本気だったら凄い。私みたいな女の良さを逆に教えて欲しい。全力で。

あんなにスペック盛り盛りなら寄ってくる女も星の数ほどいるでしょうに。

数ある星の中から私を選んでくれた……とか……てへ。(ごめんなさい)

悶々と考え事を再開していると、教室の外から声がした。

「Aちゃーん！」

「……あれ？まだ帰ってなかったのー？」

さっき帰ったはずの友達が、ドアの前に立って私を呼んでいたのだった。

どうしたんだろう。

「なんかー！すっごいイケメンな人がAちゃんのこと待ってるよー！校門で！！誰なのあの人ー！！」

叫ばれた。

クラス中がざわめいたけど、無視して、友達には礼を言って全速力で教室を出る。

……私の知り合いに、イケメンは一人しかいない。