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放課後デートも振り回される。
○
「焦凍くん、見て、あのドーナツすごい美味しそうだよー……？焦凍くん？」
電車に揺られて少し歩いて辿り着いた大型ショッピングモール。
焦凍くんはこういう場所にあまり来たことがないらしく、慣れない様子でうろうろしていてなんだか可愛かった。
ミス・ドーナツの新作のポスターが大きく飾られているのを見て、隣で歩く焦凍くんに話しかけてみたけど返事がない。
…え、嘘、迷子！？と嫌な予感がしたけど、少し先に彼の紅白頭を見つけて心底ほっとした。
ああびっくりした。
胸を撫で下ろし彼に駆け寄る。
「何をそんなに見てるの？」
「…ああ。Aに似合いそうなの探してた」
1カメ。焦凍くんの手にあるウエディングドレスのカタログ。
2カメ。焦凍くんの目の前にあるウエディングドレスを着たマネキン。
3カメ。ドヤ顔の焦凍くん。
「！？」
見上げると某結婚相談所の看板。
つまりそういうことである。私に似合うウエディングドレスを探してくれた…と。
どうしようもなく可愛くて、愛おしくて、顔を赤くしているのがバレたくなくて、誤魔化すようにしてパンフレットを取り上げた。
「……焦凍くん…これはないないしましょうね」
「何でだ。自由に見ていいやつだろ、これ」
「無自覚イケメンめ。貴方の発言は心臓に悪いの！！いい？私はいままで彼氏どころか男友達すらいなかったんだからね！？」
ああ、もう。顔が熱い。
目の前の幼なじみが爆弾発言をするたびに振り回されるのどうにかしたい。
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作者名：- | 作成日時：2017年12月9日 6時
