天使だった幼なじみがハイスペックイケメンになって私を迎えに来た。 (ページ17)

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○17○ ページ17

君をもっと知らなくちゃいけない。

○

「あ、焦凍くん」

「…………」

「…焦凍くん？」

鞄を肩にかけて雄英の制服を着こなすイケメン幼なじみが校門にやってきた。

しかし彼は何故か私を見て無表情のまま何も言わない。

…どうしたんだ。私何かしたか。あ、無表情な焦凍くんもかっこいい。

思考を放棄していると、彼は小さな口を小さく開いた。

「……爆豪と知り合いだったのか？」

「ああ、この前ヤンキーに絡まれてる所を助けてもらったの」

「……そうなのか。大丈夫だったか」

「うん。無傷。でもヤンキーはボコボコにされてた。
爆豪くんすごかったんだよ」

もう一度焦凍くんは「そうなのか」と呟いたかと思うと、黙り込んでしまった。

……不機嫌？

私はまだ焦凍くんの感情を全て理解してあげられないけれど、なんだか不満なオーラを感じ取った。

表情の硬い焦凍くんの両手を取り、笑う。

「行こう？二駅先に大きいショッピングモールあるんだ」

買いたいものがあるからついてきてくれる？と言うと、焦凍くんは少し調子を取り戻したようにパッと顔を上げて頷いた。

・

「待って、誰だあの子？」

「轟くん、他校に彼女いたん！？」

「ええ！？でも確かに雰囲気がそんな感じかも…？？
クラス一のイケメンのスキャンダルだー！」

「帰ってきたら質問攻めだー！！」

轟焦凍という、クラス一の実力を持ちながらクラス一の容姿まで持っている少年。

そんな彼に他校の恋人がいたというスキャンダルは、瞬く間に1-Aに広がってしまったことを本人は知る由もない。

そして、Aとのデートから寮に帰宅した夜、男子には「紹介しろ！」と、女子には「詳しく！！」と詰め寄られてしまうことも、後の話。