こちら白雪組３

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家に帰りつきしばらくすると、深澤が辛そうに息を吐き始めた。ラウールがおでこに触れたら熱くて。
ビックリしてラウールが岩本を見ると、気づいていたのだろう。冷えピタを持った岩本が深澤に触れた。

紫「んっ、」
黄「ふっか？キツいか？」
紫「だいじょ、ぶ」
黄「薬飲む？」
紫「んーん。いい。しばらく、ねかせて」
黄「了解」

深澤はそう言って目を閉じた。そしてすぐに、少し息苦しそうではあるが寝息が聞こえてきて。
本当に大丈夫なのだろうかと、ラウールは岩本を見た。

黄「だから、心配すんなってば」
白「………こんなこと、日常茶飯事なの？」
黄「日常茶飯事じゃないけど。でも絶対ないとは言えないな」
白「そっか、」
黄「ラウール。ちょっと真剣な話をしようか」

岩本がいつもとは違う真剣な眼差しでラウールを見た。真剣な眼差しで見られたら、自然と自分の背筋も伸びた。

黄「ラウールも分かってるとは思うけど、俺らは普通じゃない。分かるか？」
白「うん。分かる」
黄「常に危険と隣り合わせ出し、いつ死ぬかも分からねぇ。それでも俺達は自分の意思でその道を歩いてる」

岩本は一旦ここで言葉を切ると、唇をキュッと噛み締めるラウールの手を握った。

黄「ラウールは、その道に今無理やり連れてこられた状態だ。俺らと出会わなかったら、危険と隣り合わせになることもなかったかもしれない」
白「…………」
黄「もし、ラウールがそんな生活が嫌だって言うんだったら離れてもいい。今からでも遅くない」

岩本の言葉に、ラウールの目から涙がボロボロと零れた。それを見て、岩本がギョッとなる。

黄「ラウ、」
白「本音を言うなら、こわいよっ」
黄「………」
白「しぬのは、やだよ」
黄「それは俺もだ」
白「でもね、それ以上にみんなと離れるのがいやだっ！」

これは紛れもないラウールの本音。
深澤が刺された時、初めて大切な人を失う怖さを味わった。

白「みんなはもう、俺の家族なのっ」

深澤が寝ているのも忘れてラウールはそう叫ぶと、目の前の岩本に抱きついた。

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