だから先輩に頼れって！【東卍】

メール ページ11

11月23日。


部屋で、通信制の高校の授業のために没収されなかったパソコンのメールフォルダを開く。


お母さんに、授業以外にこのパソコンを使っているところを見られたらまた問題集を増やされそうだ。


あの日からあたしは何度も何度もお母さんに「出して」と反抗して……そのたびに問題集は増えていった。


部屋のドアにはついに、南京錠までかけられ、同じ家の中なのに研究室にも行けない。


『っ！？』


思わず息が漏れた。


なんだ、このメールは。


中身は、幹部会議を盗聴した内容だった。


「柴八戒は東卍を抜けるつもりです。今日、三ツ谷くんと話し合いに行くそうです。」


ふざけんな。


それが1番初めに出てきた感想だ。


カタカタカタとすごいスピードでキーボードを打つ。


「あんたはそれで後悔しないの？あたしは八戒を助けられるよって、八戒に伝えれる？」と書いて、メールを送信する。


メールが帰ってくるまでの数分が、やたら長く感じた。


「伝えましたが、話し合いに行ってしまいました。すみません。尾行します。」


隊員から帰ってきたメールにため息をつく。


『クソ……。』


無理をしないように、とメールを送り、パソコンを閉じる。


『外、出たいわねぇ……。』


あたしは問題集の山を睨んだ。

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