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〜時透視点〜
この声って…。
時透 「平助?」
平助 「おう。久しぶりだな。」
平助の姿が見えた。
時透 「…ここAがいるよ?」
平助 「安心しろ。こいつが起きる前には消えるから。」
そういえば、予知ができるんだったね。
平助 「てか、俺のこと覚えてんだな。」
時透 「うん。A関連のことならだいたいね。」
平助 「お、おう…。つまりAが身内にいなかったら覚えなかったってことか。」
まぁ…そうなるね。
平助 「Aのことで困ってんだろ?」
時透 「…。」
平助 「Aは最近、体調悪かったみたいだからな。
食べ物が喉を通らなかったんだってさ。」
そうか。僕任務多めだったから。
Aのことを気にかけてあげられなかったんだ。
平助 「仕方ねぇことだから、気に病む必要ねぇからな。」
時透 「…でも、僕が気づいてあげられなかったからAは…。」
平助 「何でもかんでも自分のせいにすんな。」
平助は僕の頭に手をおいた。
平助 「今回のはお前のせいじゃねぇよ。」
時透 「…僕は…どうすればいいんだろう。」
隣りにいるだけでは、Aを守れない。
でも、僕がずっと彼女のそばにいて、助けてあげられるわけでもない。
任務で遠出したら、今回みたいに体調を崩すかもしれない。
だったら、僕はAに何をしてあげられるの?
平助 「…今のままじゃ、不満か?」
時透 「…は?」
平助にむかついた。
このままでいいってこと?
Aが無理して壊れる日々が
続いてもいいって?
時透 「君の妹のことでしょ?
そんな言い方ないんじゃない?」
平助 「どういう意味だ?」
時透 「…っ!?
なにそれ。
僕にあれだけ真剣な態度でAを託したくせに。
いざAがこんなことになったら
それは仕方ないって?
馬鹿じゃないの?」
平助 「…っぷっ!ははははっ!」
すると平助は突然笑いだした。
時透 「何がおかしい。」
平助 「うわっ。時透顔すごいことになってるぞ。
大丈夫だから。そうカリカリすんなって。
お前…本当にAのこと考えてくれてんだな。」
時透 「…そんなの…当たり前…だよ…。」
でも、今の僕には方法がわからない。
鬼から守っても、勝手に自分で無茶する。
意味がないでしょう。
僕が守ったところで。
あれ?
目から水が…。
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