【ヒプマイ・男主】俺の隣の奴は今日も笑顔を振り撒いている

俺の隣35 ページ37

『帝統君。でもな、道端で倒れてるのは危ないと思うぞ？世の中変な人だって多いんだから』


「アンタのことか？」


『…ん？』


「倒れてる俺に声掛けるなんて余っ程変だろ？」


『…俺以上に変な人だって沢山いるんだ！！！』


「お、おう…」


確かに俺も変な人だ。
道端にいる青年に声を掛けたんだから。

いや、良く帝統君着いてきたな？！
俺が言えたことじゃないけど本当に気を付けて欲しい。


『帝統君、満足したか？』


してくれないと俺の財布の中身がやばい。
悲しいことになる。


「おう！世話になった！」


『良かった。そろそろ行こう』


伝票の中身は見ないふり。
まぁ、会計でわかるんだけど。あはははは。


「オッサン良い奴だなぁ！」


『オッサンじゃないAA』


ったく、人が財布の中身で悲しんでるときにオッサンはやめなさい。
突然のオッサンにはまじでビビる。


「Aサン」


『まさかのさん付け驚き』


さん付け出来たんだな…。
なんか出会って間もなさすぎるけど、成長を感じた。


「ん！」


『…スマホ？』


「連絡先！」


『あぁ、そういうことか』


連絡先交換してるときに思ったんだけどスマホは持ってるんだな。
てっきりないと思ってた。


「タダ飯っと」


『それで追加すんのやめろよ？』


なんだタダ飯って！
普通に名前にして！


「ジョーダン、ジョーダン！じゃ、またなAサン！」


『気を付けろよ〜』


ぶんぶんと振られる手に俺も手を振って返す。
いや〜嵐みたいな子だったな。

悪い印象を持てないのは持ち前の性格だろう。
無邪気さというか、裏表ない感じというか。


『って俺も帰らなきゃいかん！』


独歩が待ってるんだ。
俺は半ばダッシュでマンションに向かった。

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