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煙草を手放さない智を放って寝室に行く。
ベッドの上はすげぇ綺麗。
こっち来てねぇのかな。
ベッドの脇やタンスの上にツーショット写真が並べられている。
2人の思い出が詰まった部屋。
…立ち入ることすら出来ないのか。
写真だろうとAの顔見て悲しくなる。
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ﾋﾟｺｰﾝと音がなる。
LINEが届いた音。
ベッド脇にあるスマホの画面が光ってる。
…これ、Aのじゃん。
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“どこほっつき歩いてんの”
“ねぇまだ？”
“前言ってたディズニーいつ行く”
“ね〜”
“A”
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毎日送られてるLINE。
全部智から。
もちろんあいつの画面に既読がつくことはない。
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死んでんだぜ。
受け入れたくないのか、まだどこかで生きていると信じているのか。
あいつ死んだとこ見てないからな。
呼吸が止まる前に病室から出て行った。
そして二度とAの前に姿は現さなかった。
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和也「あのさ」
リビングに戻ると灰皿の上のカスが増えていた。
体勢は変えず一点を見つめて俺の声には反応しない。
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和也「Aは戻ってこないよ」
智「…」
和也「毎日毎日LINE送ったって、あいつは居場所を喋ることもないしディズニーに行く日も答えるわけない」
智「…」
和也「死んだよ、お前が病室から出て数分後に」
グレーの煙が吐き出される。
まだ長い筒状のそれを押し潰してソファから立ち上がった。
冷蔵庫の前まで歩き透明なグラスに水を注ぐ。
グビッと飲み干した際に喉仏が大きく上下に動いた。
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智「俺が殺した」
和也「…」
智「守る、つったのに俺が殺った」
転がってる空箱を一つ拾い上げ、ゴミ箱に捨てた。
続いて盛られまくってる吸い殻も水をぶっかけて消火した後にゴミ箱へ。
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智「ガキがいなかったらあいつが死ぬことはなかったのにさ」
和也「…」
智「…まぁガキ自体はあいつが欲しいっつって、お互い仕事に慣れてきたからそろそろいっかってことで作ったけど」
和也「…」
智「まさかさ、そこまで望んでなかった方が生きてて、傍にいて欲しいやつが居なくなるとか思わねぇじゃん」
和也「…」
智「っあー…、…く……っそ」
再びソファに体を沈め、天を仰いだ。
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チェリー(プロフ) - 汐音ちゃんがどんな風に育つのかがとっても気になります！この作品はお山のてっぺんから見させていただいていて、他にも、ふたまたさとしなども、本当に大好きな作品です！！また、ちおさんの作品まってます！長編作、お疲れさまでございました！！ (2018年3月10日 10時) (
レス) id: a0fb27e534 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - 完結おめでとうございます！！んもーーーーー、本当に！良かった！！の一言です笑 主人公が亡くなってしまってからの智くんの気持ちが痛いほど伝わる書き方、本当に素晴らしいなと思いました！夢で良かった。本当に。 (2018年3月10日 10時) (レス) id: a0fb27e534 (このIDを非表示/違反報告)
ちお(プロフ) - うぴさん» 夢でした！夢の中で得た経験を現実世界でも発揮してくれると思います(^^) (2018年3月9日 16時) (レス) id: 06dd6ecca4 (このIDを非表示/違反報告)
ちお(プロフ) - ちはるさん» ファンだなんて…嬉しいお言葉をありがとうございます！今回の更新で完結となりました。最後まで読んで頂けると幸いです。 (2018年3月9日 16時) (レス) id: 06dd6ecca4 (このIDを非表示/違反報告)
ちお(プロフ) - すりおろし梨。さん» 智くん自身、未だに現実と夢の区別がつかなくなることもあるみたいですが…、夢というオチでした(^^) (2018年3月9日 16時) (レス) id: 06dd6ecca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちお
| 作成日時：2017年12月30日 17時
