12話 ページ13
ｲﾙｶ「で……卒業試験は分身の術にする。呼ばれた者は一人ずつ隣の教室に来るように」
気付けばあっという間に卒業試験。
呼ばれたものからどんどん教室から出ていく。返ってきた人達は皆額当てをつけて嬉しそうに笑っていた。
分身の術、か。
ｲﾙｶ「蛍」
『はい』
自分の番が回ってきた。
私は席から立つ。
ﾅﾙﾄ「蛍！頑張れ！」
『あぁ。ナルトくんもね』
手を振るナルトに軽く返して教室から出る。
隣の教室のドアを3回ノックして、
返事が聞こえてから中へ入った。
ｲﾙｶ「お、来たな」
中にはミズキ先生とイルカが居た。
その前には沢山の額当て。
私は二人の前に立つと
『お願いします』と礼をして印を組む。
『分身の術』
ぼふんと音を立てながら自分と同じ容姿の人が三人現れる。イルカはそれを見ると満足そうに微笑む。
ｲﾙｶ「文句無しの合格だ」
そう言って額当てを渡してきた。私はそれを受け取る。
あ、思ったより重い…。
ﾐｽﾞｷ「おめでとう」
『…ありがとうございます』
やっと、ここからがスタートなんだ。
そう感じた。
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「よくやった！流石俺の子だ!」
「これで一人前だね、俺たち！！」
「卒業おめでとう！ママ今夜はごちそう作るね！」
そんな嬉しそうな子どもと親の姿を眺めながら、
私は額当てを眺めた。
私が忍かぁ………なんか実感無いなぁ。
Jkから忍に転職ってどういうわけよ。ほんと、なんでこうなったのやら。
すると、私の前を誰かが通り過ぎる。
『あ…サスケくん！おめでとう！！』
ｻｽｹ「………………あぁ」
そうぶっきらぼうに返して、彼は私を見ずに行ってしまう。ま、返事を返してくれただけましだね。
ﾅﾙﾄ「…」
ブランコに座ってこっちを眺めるナルト。
その額には何も無い。
ナルトは不合格だったのだ。
『ナルトくん…』
ﾅﾙﾄ「…っ……！」
『ナルトくん！？』
彼はゴーグルをつけると走り出した。
私は手を伸ばすが、それは彼を掴むことは無い。
私は伸ばした手を握りしめる。
今行ったって何て言えばいいのか分からない…。
こういう時は一人にするのが、一番かもしれない。
私だってそう思う。
『……帰ろ』
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作者名：かるーあ | 作成日時：2022年11月29日 13時
