結婚相手募集され中2《サバイバルウェディング》

動き出す ページ11

優璃「2人の姉と違って、
私は自分の本当にやりたいことを
やらせてもらいました。
今私が着ているドレスは自分で作ったものです。
卒業製作には
ウェディングドレスを作っているので、
姉達に結婚式で使ってもらえるよう、
丹念に作り上げていきたいと思います。

卒業間近に、今来ている大学のメンバーと
ファッションショーをやろうと計画しています。
その時は皆さん、ぜひお越しくださいね。
今日は本当にありがとうございました」





あのドレス、自分で作ったのか。
確かに、すごい似合ってるし、
体型にもピッタリ。

我が妹ながら尊敬する。


祐一「優璃さん、すごいですね。
美大行ってるって聞いていましたが、
ドレスを作っていたんですか」




「そうなんです。
パーティーが多い私達には
昔からドレスは欠かせないものでした。
優璃は子どもの頃から裁縫が好きで
従姉妹にお洋服を作ったり、
髪飾りを作ったり。
それからそっちの道に進みたいって」




祐一「同じ姉妹でも三様ですね。
それぞれが素晴らしい才能を持って」





「才能だなんて。
みんな好きなことを極めたい、
それだけのことですよ。
まあ、確かに私には出来ないことなので
姉も妹もすごいとは思いますが」





パーティーがお開きになり、
私達も会場を後にした。



アパートの前で車を停めてもらい、
車のドアを開けるところまで
エスコートして貰って。


「今日は本当にありがとうございました。
エスコートもスマートで
何不自由なく過ごせました」




祐一「こちらこそありがとうございました。
またAさんのことを知れて
楽しい1日でした」




「…良かったら、
コーヒーでも飲んでいかれますか？」




祐一「え？」




「毎度送って貰っているのに、
申し訳ないな、って思って…」




祐一「お気持ちは有り難いですが、
お部屋に上がっちゃったら…その…」




「え？…、」

私は頭が理解するより早く
自分の唇に手を当てていたらしい。

、あ、ファーストキス…




祐一さんは一瞬私を見た後、
ぐるん、と私に背を向けた。


深いため息をつかれ、私は戸惑っていた。

「すみません…私色々疎くて、
嫌な思いさせちゃいましたか？
それとも、図々しかったですか？」




祐一「違いますよ！！
Aさんが…！いや、なんでもないです。
でも…」



すぐに、ガバ、と抱きしめられたと思うと、
一瞬で離れていった祐一さん。



あれ、もう終わり？









…て、今、私何思った！？？

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