2, おむかえにきました。 ページ3
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「………は?」
こう言うのって何になるんだ?
大人だったら空き巣か不審者か。
子供の場合は…?
どちらにせよ不法侵入ではあるよな…。
「ひかる…?」
それにこの子供。
どういう訳かさっきから俺の名前を呼んでいる。
なんでこの子が俺の名前を?
「ねぇ?」
それによく見ればこの子、格好が変だ。
真っ白のワンピースの様な服を着て
背中には羽の様なものを付けている。
肌は透き通る様に真っ白で、見た感じ女の子なのか男の子なのかもよくわからないし。
「ねぇってば!きこえてるんでしょ?!」
「えっ?」
1人で堂々巡りしていると、ついにしびれを切らした子供がプンプンと怒り出した。
「あ、ごめんね?
えーっと、きみはどこから来たのかな?」
「んっとね、…てんごく!」
・・・はい?
てんごくって、あの天国デスカ?
…いやいやいや。そんな馬鹿な。
正直、疲れきったこんな時間に知らない子供の
ファンタジーには付き合ってらんない。
「よく聞いてね?
どこから入って来たのかわからないけど、きみにはきみのお家があってお母さんとお父さんもきっと心配してるでしょ。
お兄さんが一緒に行ってあげるから、おまわりさんに言ってお家の人に連絡してもらおうね?」
うん、これが正しい対応でしょ。
「ぼく、ひかるのことしってるよ?
ひかるをおむかえにきたの」
おむかえ…?
何のだ…?
「ぼく、てんしなの!」
……
「ひかるのおむかえにきました!」
………
「あとすこししたら、ひかるはぼくといっしょにてんごくにいくんだよ?」
…………
なんか。
俺 今とんでもないことを
聞かされてる気がするんだけど。
天使が俺を迎えに?
あと少ししたら天国へ行く?
それってつまり、俺は近々死ぬってこと?
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作者名:おこめ。 | 作成日時:2017年12月11日 22時