11, 一緒に。 ページ12
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「……怒ってる？」
「………」
もぐもぐ口を動かして俺の事をガン無視するけいくん。
「赤ちゃんだから履かせたわけじゃなくて…その……」
もごもごと言い訳する様に言葉をつないでいると
「もういいよ」
と膨れたまま言ってくれる。
「許してくれるの？」
と尋ねると
「もうしないでね」
と、ひとこと言ってまたパンを食べ始める。
「もうしない、ごめんね」
と伝えて俺も朝ごはんを食べ始めた。
ごはんの後、ソファにちょこんと座って子ども向けのテレビ番組を見るけいくんを見てある事を思い出す。
「けいくん、ちょっといい？」
「なぁに？」
「俺、これから仕事なんだけど……
けいくん…お留守番できる？」
「おるすばん？」
「そう、お家で待ってられる？
俺が仕事終わって帰ってくるまで」
「……ぼくもいく！」
「いや、行くって言っても…」
「ひかるにめいわくかけないから！」
「別に迷惑ってわけじゃ…」
「ぼくまわりのひとにはみえないから、だいじょうぶだよぉ…？」
え、見えないの？
「どういう事？」
「ひかるにしかみえないんだよ？」
「そうなの？」
「うん、だからだいじょうぶ！」
何が大丈夫なのかはよく分からないけど、やっぱり天使とは言えこんな小さな子を1人で家に置いて行くなんて心配なのは事実。
「うーん…、じゃあ…一緒に行く…？」
「いく！ひかるといっしょ！」
ニコニコと嬉しそうに笑うけいくん。
そんな顔されるとますます置いてけないなぁ…。
「わかった、じゃあ一緒に行こう」
「やった♪」
そう言ってピョンピョン飛び跳ねて喜ぶ。
「でもね、けいくん。
お仕事中は俺構ってあげられないからね？」
そう。
いくらけいくんが周りから見えないとは言え、むしろ見えないからこそけいくんと話していると不審がられるのは俺の方だ。
「ぼく、ひとりであそべるよ！」
「じゃあ大人しくしててね」
ちょっと可哀想な気もするけど、こればっかりは仕方ないよね。
「ひかるのおしごとたいへん…？」
「ん？どうして？」
「ぼく、おうえんする！」
「ふふっ、ありがと」
なんだか今日はいつもより頑張れそう。
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作者名：おこめ。 | 作成日時：2017年12月11日 22時
