第佰拾肆話 ページ17
「ところで美華さんは、好きな人とかいないんですか?」
「ブッッ」
危ない危ない、飲んでたお茶を吹きそうになった。
いやいやだって、突然そんなことを聞かれたらお茶も吹き出すに決まってるでしょう。
そもそも前世も含め恋愛経験なしの私にそれ聞きます?
「……と、突然何を」
「ずっと気になってたんです、美華さんって好きな人いないのかな〜って。この世界ならイケメンいっぱい、よりどりみどりですよ?」
「……そういう言い方は良くないと思います」
少し咎めるような口調でそう言うと、ごめんなさいと謝るなりわかりやすくシュンとした天星さん。
……やめてくださいよその顔、罪悪感すごいんだから。
「でもでも、鬼殺隊が恋愛禁止な訳じゃないんだし、好きな人の一人や二人……」
「一人でいいです、一人で」
「いるんですか?」
「いません」
確かに、恋愛できたら楽しいかもしれない。
前世で出来なかった分、恋愛してみたいなとは思うけれど……
どうしても、鬼殺隊の皆様方を見ると二次元のキャラクターだという思いが先立ってしまって恋愛感情からは程遠くなってしまう。特に柱。
もちろん、彼らもここに生きている一人の人間だという事はよく分かっているけれど……それとこれとは話が別なのだ。
「美華さんを狙ってる人、多いって知ってます?」
「何の冗談ですか、それ」
「美華さんの親衛隊は言わずもがな、柱にだって……あ、その顔は信じてませんね?」
信じられるわけがない。
親衛隊は…まぁとにかく置いておくとして、柱に私の事を狙ってる人がいる?
まさかまさか、タチの悪い冗談だ。
言っていい事と悪い事がありますよ、天星さん。
「嘘じゃないのにな〜。
ちなみにそのうちの一人は私です!」
「はいはい、ありがとうございます」
軽くあしらわれた事にご立腹なのか、ぷくっと頬を膨らませる天星さん。
最近気づいたけど、素でこれをやってるんだから天星さんは根っからのヒロインだよね。
私にはとてもじゃないけどできません。
「でも好きな人ができたら教えてくださいね」
「………。」
「もちろん、美華さんが私を選んでくれたらすごく嬉しいですけど、美華さんの恋愛は全力で応援するつもりなので!」
……果たして、そんな日が来るのだろうか。
私には平穏な毎日を謳歌して、一人で死んでいく私の姿しか想像できないけど。
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セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ばなな( ?)バナナさん» コメント、ありがとうございます!完結後のことはまだ考えておりませんが、まずは本編を完結させるべく執筆していきますので…更新ペースはゆっくりかと思いますが、ご愛読のほどよろしくお願いします! (8月9日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ばなな( ?)バナナ(プロフ) - いっぱい寿司...この続編とかでキメ学とか書いて欲しい...(ᵒ̴̶̷᷄ ᵒ̴̶̷᷅) (8月7日 5時) (レス) @page34 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - あきらさんさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!天星ちゃんはなんだかんだで私も好きなキャラです笑 更新ペースはゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (7月29日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
あきらさん(プロフ) - 初コメ失礼します!!作者様の書く小説が好きです、このお話もめちゃくちゃ読みやすくて、感情とかがスっと頭に入ってきました!とくに天星ちゃんのオタク?っぷりなところや真剣なところなども好きです!作者様のペースで更新頑張ってください! (7月27日 20時) (レス) @page34 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!愛ちゃんはもう別人と言っても過言ではないですね笑 更新はゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2023年1月6日 23時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2022年7月31日 19時