転生先が乙女ゲームみたいなんだが 2【鬼滅の刃】

第陸拾参話 ページ15

「いいか？俺は神だ！お前らは塵だ！まず最初はそれをしっかりと頭に叩き込め!!ねじ込め!!

俺が犬になれと言ったら犬になり、猿になれと言ったら猿になれ!!猫背で揉み手をしながら俺の機嫌を常に伺い全身全霊でへつらうのだ!!

そしてもう一度言う、俺は神だ!!」




………。

いや、もうツッコミどころ多すぎて言葉がありません。ツッコミ入れるのも面倒です。
きっと私は今、遠い目をしていることでしょう。




「具体的には何を司る神ですか？」
「いい質問だ、お前には見込みがある」




新手が現れました。
天然ですか？天然なんですね、炭治郎くん。

普通はそんなところに目つけませんよ。
いやだって宇髄さんが神であることを前提に話進めてんじゃん、逆に尊敬するよ。




「派手を司る神…祭りの神だ」
「俺は山の王だ、よろしくな祭りの神」
「何言ってんだお前…気持ち悪い奴だな」




同類だよ！わかれよ！
思わず心の中でツッコミを入れた。
無論、表情は無表情のまま。




「んで、誰だおまえ」
「！」




突然、伊之助の視線がこちらへ向く。
……たぶん。

伊之助って被り物してるから何処見てるかわからないんだよね。




「私は…」
「この人は…」
「こいつは氷の女王だ！」




悉く自己紹介を遮られる私、可哀想。
てか、氷の女王じゃないし。
なにその雪の女王的なノリ、もういいよ。




「この人は色柱の野一色美華さんですよ」




何言ってるんですか……。
と宇髄さんをゴミを見るような目で見る炭治郎。
あの目で見られたら私、生きていけないわ。




「そうか、よろしくな氷の女王」
「いや、だから私は野一色美華だって…」
「俺は山の王だ」
「それはさっき聞いた」




思わずため息が漏れた。
自己紹介からこんなんじゃ…先が思いやられる。

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