転生先が乙女ゲームみたいなんだが 2【鬼滅の刃】

第陸拾弐話 ページ14

「女の隊員が必要なんですよね？
なら私も行きます!!!」



……準備を終えて蝶屋敷へと向かえば、とんでもない光景を目撃というか、聞いて(？)しまった。

この声は間違いなく天星さん。
そう、私は盛大にフラグを回収してしまったのだ。




「だよね、ですよね、わかってましたよ。
天星さんが原作イベを見逃すはずがないって……」




思わずため息をつくと、ふと門の上でアオイちゃんを抱えた宇髄さんと目が合う。

……確かに、側から見りゃあれは立派な人攫いだ。


っと、そうじゃなくて……
宇髄さんは私と天星さんの関係が良くないのを知っている。
なら、訴えれば断ってくれるのでは!!?




「……！」




そんな期待を込めて宇髄さんをじーっと見つめる。
すると宇髄さんは私から目を逸らし……




「……あっそォ。
じゃあ一緒に来ていただこうかね」




違ーう！そうじゃなーい！

思わず心の中でツッコミを入れた。
私にはテレパシーなんてそんな大層なものは使えなかった……悔しい。


まぁ、わかっていたことだ。
"原作と関わる＝天星さんと関わる"ってことなんだから。
いい加減諦めろ、私！




「お、来たな野一色」
「……。」




しばらくして、宇髄さん達が蝶屋敷から出てきた。
ぞろぞろと出てくるからもう大所帯。

こんな人数で、しかも柱が三人も行ったら鬼も驚くだろうな……。




「あ、野一色さん？」
「……どうも」
「もしかして野一色さんも連れてこられて……？
もう、ダメですよ宇髄さん」




ぷくぅ、と頬を膨らませる天星さん。

やっぱり可愛いなぁ……。
百人中百人が振り返る美少女なんてあり得ないと思ってたけど、天星さんならもしかしたら……ってレベルで可愛い。




「いえ、私は元々合同任務だったので」
「そうなんですね、今回は私も同行することになったのでよろしくお願いします！」




天星さんはにこりと笑って私に手を差し出す。

こちらこそ、とその手を取ると……握った手の力はやっぱり強かった。

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