【リヴァイ】残酷で美しい世界に【進撃の巨人】 (ページ41)

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＃37 ページ41

ばれないように平静を装う。
リヴァイ兵長は怪訝な顔をしながらも、特に言及してくることはしなかった。
ただ「気分が悪くなればすぐに俺に言え」とだけ言うと、後は黙々と出発準備を始める。

しかし、準備と言っても、マントを羽織る以外に特に何もすることなどなく、私が、荷馬車に戻し忘れた籠を持つと、すぐに「行くぞ」と声をかけられた。

下に降りれば、各班の班長がエルヴィンのもとに集まり、軽い打ち合わせをしていた。
索敵班は、すでに、今日の陣形の配置換えを聞いたらしく、少し離れたところで配置の確認を行っているところのようだ。

「……それで展開してくれ。ああ、それで大丈夫だ。
ジゼル、見えているよ。おはよう。昨日はよく眠れたか？」

「おはよう。隠れていたつもりはない。
……大丈夫だ。快眠できている、心配ない」

「その割には、少し顔色が優れないように思うが?」

リヴァイにした朝は低血圧という言い訳はここで通用しない。
なぜなら、エルヴィンとは引き取られた当時から寝食を共にしているわけだから、本当に低血圧なら今頃とっくにばれて日常の一部に組み込まれている筈だからだ。
どうしようか悩んでいると、後ろからリヴァイ兵長が助け船を出してくれた。

「朝は、低血圧なんだろう」

否、この人は悪魔だ。
この人の言葉に込められた意味は、本来の意味での助け船などでは到底ない。
私が、本当に朝が低血圧で顔色が悪いのかどうかをエルヴィンにコイツは聞いたのだ。

「………ジゼル、お前、いつから朝が弱くなったんだ」

リヴァイの言葉にエルヴィンは目を細めて私を見る。
ああ。面倒くさくなってきたな……。

「……今日からだ」

俯きながら、私の視界の斜め後ろで涼しい顔をしているリヴァイをにらむ。
エルヴィンは大きくため息をつくと、軽く私の頭を小突いた。

「今から、陣形の配置換えは難しい。
………いけるのか?」

「もちろんだ。それは保証する」

「コイツがヘマしそうになったら俺がフォローする」

頭を鷲掴みにされ、グリグリ私の髪を掻きまわしながらリヴァイが言う。
ちゃんとした助け船が出せるのなら、最初から出してほしいものだ。

「頼んだぞ、リヴァイ」

「あァ」

本来はここで、お礼の1つでもいうべきなのだろうが、先程のまがい物の助け船も相まって、癪に障ったため、リヴァイを振り返るだけにとどめた。