それが君の取り柄だから (ページ4)

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くの一の同級生ページ4

尾浜「やっほー！揃ってるじゃん」

久々知「ホントだ、もう食べたんだな」

同じ三年の勘右衛門と兵助。

この二人も、いつも一緒に居るくらい仲が良い。

竹谷「おっ勘右衛門に兵助。お先に！」

尾「あぁ。それで今日のランチ、どっちの方が美味しかった？」

鉢屋「どっちも美味かったぞ、なぁ雷蔵？」

「うん。僕が迷っちゃったから三人で分けて二つとも食べたんだけど…どっちも凄く美味しかったよ」

僕がそう言うと、勘右衛門は＂ホント！？＂と目を光らせておばちゃんの元へ向かっていった。

…さすが食いしん坊。

今日はどっちにも豆腐が付いてないから、勘右衛門とは違い、兵助は肩を落としてランチを貰いに行った。

まぁ、食べる頃には復活してたけどね。

二人が食べ終わる頃には、食堂は色んな学年の忍たまが来ていた。

誰かがいただきますの挨拶をする度に、食堂のおばちゃんのお決まりの言葉が聞こえてくる＿＿＿＿けど、何かがいつもと違う。

おばちゃん「お残しは許しまへんで～」

いつもみたいに怒鳴るように言ってないのだ。

語尾に音符が付いてるみたいに機嫌が良さそうだった。

誰に対してもそうだったので、皆気付いたのか勘右衛門が口を開いた。

尾「ねぇ…食堂のおばちゃん、何かやけに機嫌良さそうじゃない？」

鉢「私も思ってた。」

久「俺も。さっきからずっと」

竹「ずっとニコニコしてるよな？」

「僕も思ってたんだけど…何かあったのかな？」

さぁ？と首を傾げる勘右衛門が、丁度横を通ったおばちゃんにすかさず聞く。

すると、ニコニコした笑みを相変わらず崩さずに、頬に手を当てながらおばちゃんが言う。

お「それがね、今日新しい子が編入して来るのよ。くの一教室に！」

そんな話を聞いていなかったので、皆は驚く。

竹「何年生なんですか？」

お「それが、貴方達と同じ三年生なの。それで食堂やら事務やらの仕事も手伝ってくれるそうなのよ～！」

だから機嫌が良かったのか。

皆は納得した様な顔をする。

そして嬉しそうに話し終わったおばちゃんは、ウキウキしながら台所へ戻っていった。

鉢「くの一か…そりゃ私達が知らない筈だな」

久「おばちゃん、食堂一人で大変だろうし良かったね」

尾「それにしても、どんな子か気になんない？」

竹「確かに！」

＿＿＿＿同級生か…一目見てみたいかも。