【黒バス】キセキ達には何か見えるそうです。

霊力Lv.7　例の霊 ページ8

三軍の部活が一軍よりも早く終わったので、第１体育館の外から一軍の練習を眺めていた。

すると、さつきちゃんが私に気付いたようで、こっちに来た。

桃井「Aちゃん！三軍、早めに終わったんだね。よかったら中で待ってて！」

A「邪魔にならない？あ、私もマネ一緒にやるよ！手伝わせて！」

桃井「ホント⁉よかったぁー！今日、先輩いなくて人手不足だったんだよ〜」

A「じゃあ尚更手伝わなきゃ！あ、荷物置いてくるね」

私は体育館の隅に荷物を置き、すぐに準備に取り掛かった。

一緒にマネをやる時間は、本当に楽しかった。

そして部活が終わり、下校時刻となった。

私がさつきちゃんに声をかけようとそっちを向くと、知らない背の高い髪がやけにカラフルな

集団に囲まれていた。もちろん、その人達に声をかける勇気はないので、

仕方なくボーっと立っていると、突然声をかけられた。

？？「あの…」

A「ひゃい⁉」

本当に突然だったもので、つい変な声を出してしまった。

？？「僕のこと、視えてますよね？」

しまった。目をつけられた上に話しかけられた。また厄介なことになりそうだ。

でも無視しては可哀想だから、１回くらいは返事してあげよう。

A「うん、視えてるよ。あっちゃんが言ってた例の男子生徒でしょ？

言っとくけど、私のこと、呪いでもしたら封印するわよ？」

声に圧をかけてそう言ってやったら、焦ったようにこう返してきた。

霊「いえいえ！滅相もございません！僕に呪うとかそんなこと、できません。

ただの弱い地縛霊ですから…。ええと、僕に気付いてくれてありがとうございます。

長い間、独りぼっちなもので、寂しくて、つい声をかけてしまったんです。

だから、どうか許してください！」

思ったより悪い霊ではなさそうだ。割と気にはなっていたから少し安心した。

A「わかった。封印はしないであげる。そのかわり、さっさと成仏しなさい。

自分でできないなら私が成仏させてあげるわよ。あなたはここに居るべきじゃないわ」

その霊は少し考えると、申し訳なさそうに口を開いた。

霊「ええと、その…お願いしていいですか？気付かないうちに長い刻(トキ)が流れていて、

自分の力が衰えてしまって……」

A「そういうことならわかった。じゃあ、いくよ？」

私は胸の前に手を合わせ、呪文を唱え始めた。

最期に見えたその霊の顔は、とても安らかだった。

そして、悲劇は起きた。

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