【黒バス】キセキ達には何か見えるそうです。

霊力Lv.41　トイレ ページ42

幸い、私のカバンはあまり濡れていなかった。

たまたま予備の制服を持っていたから、私は着替えにトイレへ向かった。

まるでアニメや小説みたい。現実味がなくて、惨(むご)い。

こんな事、二次元の世界だけの話だと思ってた。しかもその標的(ターゲット)が私だなんて。

ずっと混乱してる。頭の中がグチャグチャで、爆発しそう。

誰か、助けてよ…。

チャイムが鳴る。遅刻してもいいや。もうあの教室には帰りたくない。

？？「じゃあ、私とお話しようよ！」

突然、女の子の声が聴こえた。高めだから、小学校低学年くらいの声だろうか。

花子「私は花子。トイレの花子さんって知ってるでしょ？ふふふっ」

花子さん…こりゃまた随分懐かしい。ていうか中学にいるんだ。悪い奴ではないし、付き合おう。

A「いいよ、お話しよう。教室に帰りたくないし…」

花子「やったぁ！ずぅっっと独りぼっちで、寂しかったの。誰も呼んでくれないんだもん」

その花子と名乗る少女は、隣のトイレから喋っているのだろう。3番目だから。

A「じゃあ、呼んであげる」

奥から3番目のドアを3回ノックして、『花子さん、遊びましょ』って言うんだっけ？

コン、コン、コン。

A「花子さん、遊びましょ」

花子「…ハァァイ！」

かん高い声で返事が返ってきた。ドアを開けると、まぁ想像通りの姿だった。

赤いサスペンダーに、白いブラウス。おかっぱ頭。顔は普通の小学生。

A「なんだ、ちっとも怖くないじゃない。可愛い！」

私は頭を少し雑に撫でると、手をパシッと払いのけてこう言った。

花子「何ですって！怖くないの…？もう妖怪だって胸張って言えないじゃない！

あと、可愛くないし、頭を撫でないで！恥ずかしい！」

A「怒んないでよ〜。ていうか、トイレの花子さんって何が怖いの？」

花子「そこから⁉…誰もいないのに返事が返ってくるのが怖いの！分かった？」

A「誰もいないの？あなた、いるのにいないの？私には視えてるけどなぁ。丸視え？」

いるのにいないなんて、妖怪みたい。妖怪だけど。

花子「え、あなた、視えてるの？」

A「じゃあなんで話しかけたのよ…」

呆れた。でも、結構お茶目な子みたい。仲良くしよう。

トイレで友達が出来た、今日この頃。

霊力Lv.42　サボり→←霊力Lv.40　さつき

ラッキーアイテム

福井の岡村いじり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す